アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 361号(7/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり食 欲 不 振
flower1 入れ歯を直し、食事もおいしく
北海道 Yさん (82歳)
  胃の全摘手術を受け、3月で5年が過ぎました。術後はティーエスワンを1年半服用しましたが、転移の可能性も少なかろうとのことで中止しました。術後は好きだった乳製品や肉類、天ぷらは全く食べられず、アルコール類も受けつけませんでした。体重を増やそうと、無理して食べては体調を崩していました。退院時に教わった少量頻回食の大切さを、まだ認識していなかったのです。
  翌年2月、友人からスキーに誘われ、スキーには自信があったので出かけました。楽しくひと滑りしたあと、昼食は友人にならって、術後食べられなかったラーメンを注文してみました。ひと口食べると口当たりが良く、ついに全部平らげてしまいました。これでほかの物も食べられると意気揚々と帰宅しましたが、翌朝、腹痛が起こって病院に駆け込み、1週間の入院となりました。
  以後、私の食事のとり方は、一変しました。「口は胃の代わり、よく噛んでゆっくり」を教訓とし、それを守るために、差し歯、部分入れ歯を作り直してもらいました。その結果、今は食事もおいしく、空腹感もあります。これからは夏ゴルフ、冬スキーと健康志向で頑張るつもりです。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘出後5年の間には、時には失敗もあったようですが、いろんな経験を積んで健康街道を歩む姿は立派です。ことわざにあるごとく、「腹八部目」というのは健康管理のための真理だと思います。歯も大切で、80歳を過ぎて、自分自身の歯が20本以上あるのが理想的といわれていますね。

flower1 友人との外食で食欲もわく
埼玉県 Yさん (70歳)
  平成19年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘し、リンパ節も郭清しました。
  退院後も食欲がなく、衰弱して再入院しました。中心静脈栄養の24時間点滴を受けて体力は回復しましたが、食欲は全くないまま点滴を続けていました。1年4ヵ月たった頃、点滴針の部分が化膿したのを機に、点滴を中止すると、少しずつおなかがすき始めました。食欲のないときは、ゆでたジャガイモやサトイモ、豆腐やヨーグルトなどをとり、特に刺身はおいしく食べられました。白いご飯はだめで、おもちや味付けご飯、握りずしなどは食べられました。抗癌剤のせいか砂糖や甘い味はだめです。1日5食に分けていますが、すぐに満腹になり、小休止します。食欲がないと料理する気力もなく、冷凍食品などを利用しています。
  友人との食事は話をしながらゆっくり食べるので、楽しく食欲もわきます。外出して人と会う機会を作ることも食欲不振の軽減に役立ったと思います。胃は失いましたが残っている機能に感謝し、前向きに過ごすよう心がけています。

flower2 ドクターから一言
  中心静脈栄養針での化膿により点滴を中止したのは、神の思召しだったのでしょう。少量頻回食でもだめなのは、胃がないからですが、友人との食事は気分転換になり、食欲不振を改善する良策です。食欲は、半分以上は気分です。おいしかった食事、だめだった食事の内容をメモにとってみてください。

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