アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 362号(8/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腸 閉 塞
flower1 外食を控え、自宅でゆっくり
神奈川県 Fさん (64歳)
  平成13年5月、胃癌で胃の噴門側を5分の4切除しました。食後は下痢や動悸を繰り返しました。食事量が増えた3年目頃から、毎年数回、腸閉塞で入院しています。早食いに気をつけ、よく噛むように注意していますが、多忙な仕事中の外食でつい急いで食べたり、疲労が蓄積したりすると起こります。最近の昼食はおにぎり1個とスープ、途中でカロリーメイトを補給、夕食は自宅でゆっくり食べるよう心がけていますが、会社役員という立場では思い通りにコントロールできません。
  21年5月、舌に違和感があり、検査を受けると舌癌と分かりました。2度目の癌にはショックでしたが、幸い早期だったので、手術後もほとんど会話に支障はありません。また、昨年9月には、大腸にも早期癌が見つかり、内視鏡で切除しました。
  先生から「一度癌になった人は、また何らかの癌になることが多いから気をつけなさい」とアドバイスされたおかげで早期に発見でき助かっています。これからも定期検査を受け、自己管理し、くよくよせず前向きに、充実した生活を続けます。

flower2 ドクターから一言
  私の知人で3回以上の発癌体験者が何人かいますが、予想外に健康です。腸閉塞はいろいろな原因がありますが、食物が通らなくなったことには違いがありません。早食いを避け、ゆっくり噛んで食べるという基本に逆らうことはできません。自己管理の悟りはさすがです。

flower1 血流促進剤の効果?
山形県 Sさん (77歳)
  私は26年前に胆のうを摘出、21年前に胃の4分の3を切除しました。術後、重湯からおかゆになった頃、胸やけで食べられなくなり絶食、再手術になりました。外科部長によると、ひどい腸閉塞だったようで「癒着の君」というあだ名を付けられました。その後、年1回は腸閉塞を起こし、10年もすると腸閉塞の症状は年40回に及び、平均して年1回は入院していました。豆腐やヨーグルトで発症したこともあります。
  ある日、宴会では落ち着いて食べられることを発見、酒を飲むと腸の血流が良くなるのではと思い、0.5〜1合の食前酒を飲んでみたところ、腸閉塞の症状=腹痛はあまり起こらなくなりました。しかし、その効果は徐々に減りました。
  東日本大震災後は、腸閉塞を起こすと困るので、よく噛んで食べました。また頚部脊椎症の薬をまじめに飲むようにしていたところ、2〜3ヵ月過ぎても腸閉塞は起こりません。薬に含まれる血流促進剤が一因かと考えています。その後、腸閉塞を起こしたのは1回だけで、そのときは同薬を3錠飲み、病院に着いたときには腹痛は治まっていました。

flower2 ドクターから一言
  腸閉塞は、腸の全麻痺でも起こりますが、多くは腸の一部分の動きが悪くなって起こります。「癒着の君」といわれるほど、腸の外側の壁の一部分が癒着しやすいのです。お酒や血流促進剤などで血流が良くなると、腸全体も動き出すので、腸閉塞は少なくなるでしょうが、やはり、「よく噛んで」という大原則に勝る戒めはないでしょう。

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