アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 364号(10/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹 痛
flower1 術後10年、腹痛は改善せず
長野県 Tさん (65歳)

  平成14年3月、胃癌で胃の幽門側を5分の4と胆のうを切除しました。「食事は何を食べても良いですが、よく噛んでください」と主治医から注意されましたので、ゆっくりとよく噛んで食べましたが、食べるとすぐに、おなかが張り、痛み出します。我慢できずにトイレに駆け込み、おなかを「の」の字にマッサージしながら治まるのを待つので、いつも30分くらいはかかり、家族にも心配をかけました。
  術後10年過ぎて、食べられる種類はずいぶん増えましたが、量は4〜5歳の子どもと同じくらいです。何が原因なのかわかりませんが、今でも食後の腹痛、下痢は起こります。何か良い方法はないでしょうか?

flower2 ドクターから一言
  胃の5分の4を切除ですから、残りは5分の1ほどの小さな胃袋ですね。これは、4〜5歳の子どもの胃袋でしょうから、分割食が良いかもしれません。「の」の字のマッサージは、たいへん良いことです。続けてください。


flower1 時間をかけてゆっくり食べる
東京都 Sさん (55歳)

  平成14年10月、45歳のときに胃癌で胃を全摘しました。
  術後の病院食の回数は術前と同じ3回でした。退院後も「食べたい物をふつうに食べられるならば、特に制限はしません」という主治医の意向に従いましたが、幸い、逆流などの症状も起こらず、比較的、順調に過ごしてきました。
  ただし、退院後、職場復帰してから困りました。民間会社に勤めるサラリーマンなので、昼食は限られた時間内でとらなくてはなりません。仲間と同じペースで食べるので負荷がかかります。食事の途中で気分が悪くなり、のどに詰まらせたような感覚に襲われ、トイレに駆け込むこともありました。しゃっくりが出たらアウトで、それ以降は食べられません。術後10年経過しようとする今でも、このような状況に変化はありません。
  また、術前のようにふつうの食事量をとると、食べ過ぎになるのか苦しくなり、おなかが痛みます。これといった防止策はないのですが、自宅での朝食や夕食は、できるだけ時間をかけて、ゆっくり食べるようにしています。家族には迷惑をかけていますが、この食べ方によって噛む回数を増やし、消化を助けるしかないと思います。
  腹痛とは直接関係はありませんが、ゲップがよく出ます。ふつうは、食べ過ぎたときのサインなのでしょうが、私の場合は、それだけではないと思います。いろいろと不快な症状もありますが、精神的な弱さも影響すると思いますので、あまり気にせずに過ごすようにしています。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘後は、胃が全くないので代用胃とされる部分の大きさも腸からの消化液の分泌も異なり、消化能力はぐんと低下しています。ゆっくり噛んで食べるのは、基本中の基本です。最初の頃は1日5〜6回の分割食も良いことです。ゲップはおくび(曖気)とも書きます。胃腸内でのガスの発生が少ない食事を選ぶことです。


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