アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 365号(11/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 水を飲み、何かを食べる
群馬県 Oさん (51歳)
  平成19年11月に胃噴門部の癌で胃を全摘、食道の一部も切除し、ルーワイ法で再建しました。術後2年間のティーエスワンを服用中は、3日に1度は未明にヒリヒリと来る逆流に悩まされました。今でも逆流は時々ありますが、対処法を考えて実践し、効果を感じてきたのでお知らせします。逆流には、最初のジワリと感じる段階と、次にやって来るヒリヒリと食道がやける段階とに分けて対応しました。
  ジワリと逆流を感じたら、できるだけ早く水を飲み、消化液を飲み下すようにします。レモン水など酸性の飲み物は、アルカリ性の消化液を中和させて消化液の活性を低下させるといわれていますが、飲むタイミングが遅いとかえってつらくなります。スポーツドリンクなら胃がなくてもたくさん飲めて効果的です。
  次に、ヒリヒリと感じてきたときには、消化液に対するエサを与えて、食道内への消化作用を減らしてやります。有効なエサはたん白質を含む物ですが、私はとにかく手元にあるビスケットやおせんべいなどを食べます。これらの工夫でこの2年半は楽になりました。逆流は会議中や運転中でも起こるので、そのときに備え、容器に入れた水をそばに置くだけでも精神的に楽です。
  私の実践に対する考え方は、今、自分が感じている感覚がどのような出来事の結果なのかを想像し、科学的に対処することです。我々の病に対して「効く」といわれていることは多いですが、その軽重は幾千倍もの差があるでしょう。ベストは狙わず、自分で感じるベターの積み重ねが大切と思います。

flower2 ドクターから一言
  Oさんの実践している立派な自己管理に感心しました。ご自分の手術の術式も、再建の吻合形式も知っておられることは大したものです。水は逆流液を薄める最良の飲み物ですが、どのような水温が良いのかを試してみてください。自分なりの効果を感ずるという自主性が大切で、症状も効果も決して同じではないのです。

flower1 大きなクッションを利用
石川県 Iさん (65歳)
  平成14年2月、胃癌で胃を全摘しました。術後は胸やけ、つかえ、腹痛、下痢などに悩まされました。特に就寝中の逆流には困りました。突然、苦い液がのど元まで上がってきて苦しくなるので慌てて起きます。
  主治医から、食事は少量をゆっくりよく噛んでといわれましたが、逆流はなかなか治まりません。私なりに考え、食後は大きなクッションを座いすの背に置き、少し斜めになるようにして座り、1時間ほどじっとしています。また、就寝時には大きなクッションを枕にして頭を高くし上半身を斜めにしました。柔らかくて大きいクッションなので、体がずれず、前よりは逆流が減りました。

flower2 ドクターから一言
  大きなクッションを上手に利用された工夫は、すばらしいです。クッションにもいろんな柔らかさがありますが、自分の体に合っていることが大事です。それでも逆流したときには、やはり、まず逆流を薄める水ですね。

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