アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB368号(2/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり嗜好の変化
flower1 食べたい物をよく噛んで
奈良県 Mさん (80歳)
  平成15年5月、71歳のとき、胃癌で胃を全摘し、ルーワイ法で再建しました。
  アルファ・クラブを知ったのは術後2年目でした。私の場合は、皆さまが悩まれている夜中の逆流や胸やけ、つかえなどは一度も起こりませんでした。上手に手術してくださった先生にとても感謝しています。
  ただ、嗜好の変化にはたいへん苦しみ、現在でも悩んでいます。特に牛乳、卵、肉などは食べられません。先生からは「目で食べずに、栄養を考えて食べなさい」といわれましたが、食べたい物だけをよく噛んで食べています。1日中、何かを口に入れているという日もあります。
  術後は体重が30kgまで落ちましたが、現在は40kgをキープしています。栄養補給は考えてもサプリメントはとらず、その代わり、いろんな物を食べるようにしています。
  若い頃から便秘症で、現在も便秘は続いていますが、あまり気にせず、毎日ウォーキングをしています。

flower2 ドクターから一言
  手術後、嗜好の変化に悩まされたとのこと、たいへんお気の毒です。かつて、私は嗜好の変化に苦しまれた方々の統計を取ったことがあります。牛乳がダメな人は53%で最も多く、卵と肉類はともに18%でした。結論は、好きな食材をよく噛んで食べることが、一番良いことです。自然流に生きてください。

flower1 自分で食材を選んで作る
群馬県 Kさん (73歳)
 平成18年7月、胃癌で胃と胆のうを全摘しました。2度の開腹手術で15週間入院し、体重は60kgから38kgまで落ち込んでしまいましたが、今では普通の生活をしております。
  手術後、最も困ったのは、鶏の皮を始めとして、食べ物のにおいがとても気になったことと、甘さや塩辛さの感覚が狂ってしまい、妻が作る料理の味が薄過ぎたり、濃過ぎたり感じて味覚がめちゃくちゃになってしまったことでした。
  そんな中から、自分なりの方法を考えました。食べやすい豆腐や半熟卵、軟らかいおひたしなどから食べ始め、次第に食材を広げていきました。また、自分でスーパーに出かけて食材を買い求め、自分で料理、味付けをすることにしたのです。
  これが良かったのか、食事についての問題が全くなくなりました。今では、1日3回の食事で私の前のテーブルに乗る物の4分の3は、私の手作りです。おいしく楽しく食べています。
  もともと好き嫌いが全くなかったことが良かったのかと思います。それに、いろいろと規制されることの嫌いな私のこと、術前と変わらず1日3食主義を保持し、脂物でも何でも食べていましたが、それが良かったのかもしれません。

flower2 ドクターから一言
  嗜好の変化は、嗅覚、味覚が感じられない、または変わったことによって起こる症状です。嫌いなにおいを避けて、自分に合った食材を自ら調理するというのは、最高のぜいたくですね。食事の4分の3を手作りするのは、患者さんの中でおそらく日本一でしょう。いつまでも調理できるように頑張ってください。

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