アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB369号(3/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり や せ
flower1 体重増よりも体力回復
山梨県 Yさん (60歳)
  平成14年2月に受けた人間ドックで胃癌が発見され、胃と胆のうを全摘しました。退院時に栄養士さんから「ひと口入れたら50〜60回は噛んで食べるように」とアドバイスをいただきました。しかし、よく噛んで食べても途中でつかえて苦しくなります。3口食べるのに30分もかかり、食べることがつらくなりました。半年後、58kgあった体重は18kgも減りました(身長152cm)。術前は太り過ぎでやせたかったのですが、実際にやせ過ぎると体力もなくなり、食事の仕度をするのもやっとです。
  5年が過ぎると食べる量は少し増えてきましたが、体重はあまり増えません。体重も気になりますが、今は体力の回復にとウォーキングをしています。

flower2 ドクターから一言
  術後、18kgの体重減少は、身長にもよりますが、やせ過ぎでしょう。ただ、その状態で変動もなく、5年以上経過しているのですから、最も恐ろしい転移はないはずです。栄養のバランスを良くして、好き嫌いをしないことが大事です。ウォーキングも続けてください。

flower1 やせを得心して
岡山県 Yさん (74歳)
 平成19年3月、胃の上部に癌ができたため、胃、胆のう、脾臓を全摘し、食道の一部を切除、胃の周りのリンパ節も郭清してルーワイ法で再建しました。
  術後、抗癌剤の服用が始まりましたが、服用直後から体力回復に必要な食事量、水分量が摂取できず、栄養不足となり、さらに味覚麻痺など抗癌剤の副作用にも苦しめられました。抗癌剤をやめてこの苦痛から解放されるほうが良いと決心して主治医と相談の上、抗癌剤の服用を休むことに決めました。しかし、現在まで転移はないとのことです。
  味覚が回復したとはいえ、食事の量は増えません。おまけに胃切除後の後遺症による震え、つかえ、逆流、倦怠感、脱力感などの症状もあり、そのせいか、術前53kgあった体重は徐々に減って39kgになりました(身長156cm)。特に食欲不振が原因で食べる量が極端に減ったことで栄養不足となり、主治医に高カロリーの経腸栄養剤ラコールを処方してもらいました。
  食べたい!
  食べられない!
  やせを征服したいと思って食べ過ぎると気持ちが悪くなり、トイレで吐いてしまいます。そのため体重は思うように増えませんでしたが、現在、やっと41kgにまで回復し、維持しています。
  今は、学んだとおりにゆっくりとよく噛み、味わい、そして感謝しながら食べることを心がけています。「もう太らなくても良い、やせでも良いか」と得心し、これ以上、やせないように気をつけて、日々、有意義に過ごそうと思っています。

flower2 ドクターから一言
  標準体重の求め方は、身長がわかれば求められます。一般に標準体重の20%以上の体重減少がやせ過ぎになります。やや、やせた状態で変動がなく、しかも転移がなければ万歳です。消化と吸収のバランスが大切ですから、便通もチェックしてください。

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