アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB370号(4/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり おなら
flower1 運動とカラオケで、ガスも軽減
三重県 Yさん (76歳)
  平成18年3月末に黒い便が出ました。妻いわく「ひじきの食べ過ぎでしょう」。が、翌日も黒い便でした。検査の結果、胃の噴門側の際に5cmほどの癌が見つかり、「余命半年かも」といわれて、即入院しました。胃、脾臓、胆のうを全摘し、70日間入院して体重は約20kg減りました。
  退院時は食欲も体力もなくなり、1年ほどは歩行時にステッキが必需品でした。術後半年たつと、術前の6割ほど食べられるようになりましたが、食後の血糖値が280mg/dL近くまで上がり、約2時間後には30mg/dL近くまで下がるようになりました。そのために在宅時は間食を数回とり、外出時はブドウ糖とアメを携帯し、血糖値を調整しています。
  つかえ、ガス、ゲップ、ふらつき、頭重、いらいら、起床時と食後の腹部鈍痛、便秘、下痢などさまざまな後遺症に悩まされました。特にガスは臭く、周りに迷惑をかけます。自室で放屁したときには換気ができますが、仲間といるときにはトイレに行くか、皆と離れてひっそりと放屁するしかありませんでした。
  体力をつけるために、毎朝ラジオ体操とストレッチ体操を約20分、週に3〜4回はグランドゴルフ、カローリング、太極拳などの軽いスポーツを約90分行っています。それらを行わない日はウォーキングを40〜50分行います。また、週に1回、グループでカラオケかコーラスをします。就寝前には腹の底から声を出して20分ほど部屋で歌っています。その成果か、最近は後遺症も軽減し、特にガスは術前と同じ程度になりました。また、現在まで移転、再発の兆候はありません。

flower2 ドクターから一言
  ガスは腸内にたまった食物の発酵、腐敗によって産出され、一部は粘膜から吸収されますが、大部分は便とともに肛門に運ばれておならとして出ます。臭いのは、腐敗性のたん白質によるガスのためです。体力をつけるためにさまざまな努力を行っていることはすばらしいですね。消化吸収も良くなり、ガス産生が減少したのでしょう。

flower1 乳酸菌飲料と散歩を継続
千葉県 Kさん (56歳)
 平成14年3月、胃を全摘しました。術後は便秘になったので、便通に良いという食物繊維を多めにとりました。しかし、便秘は解消せず、かえっておならの量が増えました。おまけにとてもにおうので、周りに人がいるとつい我慢してしまい、おなかが痛くなります。
  先生に相談すると「食物繊維は便通改善に効果はあるが消化されにくく、腸にたまっておならの原因になりやすい。ヨーグルトや乳酸菌飲料を多めにとって、運動をすると良いです」といわれました。乳酸菌飲料を飲み、散歩を続けてから、おならは減りました。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘出後の再建法によっては、便通異常が起こります。食物繊維をとっても解消しないのは、消化・吸収力がやや低下したのでしょう。ヨーグルトは乳酸菌による発酵食品ですから腸に良いですね。また、漢方薬の潤腸湯(じゅんちょうとう)、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)もおなら、便秘に良いです。

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