アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 270号(12/'04)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり腹 鳴
flower1 適度な運動
福岡県 Mさん (68歳)
  平成13年2月、定期健診で早期の胃癌が発見され、全摘しました。
  退院1ヵ月後に職場復帰しましたが、腹鳴、おなら、下痢などダンピング症候群や、つかえが次々と起こり悩まされました。特にゴロゴロと大きな音の腹鳴は、周囲の人が驚くほどでしたので、気恥しくて仕事が手につきませんでした。
  食事は3回食で、時間をかけてゆっくりとよく噛んで食べることを心がけました。薬はビオフェルミン(整腸剤)、フェロベリン(下痢止め)を服用し、週1回、近くの医院で栄養剤の点滴注射を続けています。
  65歳で現役を引退してから、散歩やボーリング、ゴルフを始めました。気がつくと、いつの間にか腹鳴も治まりました。身長155cm、体重44kg、術前より14kg減りましたが、「活力があるので良い」と主治医にいわれました。何事にもこだわらず前向きに考えることが大事だと思います。

flower1 鉄リンゴとニンニク黒酢
静岡県 Iさん (62歳)
  平成13年3月、早期の胃癌で胃の3分の2を切除しました。
  術後、ダンピング症候群、つかえ、下痢、逆流、腹鳴で毎日苦しみました。食後すぐに、おなかの中でギュルギュルと大きな音が鳴り出すので慌ててトイレに直行、周りに気を使いつつも落ち着かず、外食どころか外出もできませんでした。3回の食事で魚や、野菜のお浸し、煮物、大根おろしや小魚を毎日とり、間食に果物や甘い物など食べたい物を食べます。食後30分は座椅子を斜めにして、リラックスして休みます。
  会報の体験談を参考にして私に合う物を捜し、また『胃を切った人・警戒したい12の疾患』の“貧血予防の鉄リンゴ”の記事を読んで、毎日鉄リンゴ1個を食べました。その他、ニンニク黒酢の錠剤も服用していますが、最近は体調も良くなり、腹鳴などの後遺症も軽くなってきました。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  胃切除後の腹鳴は、腸管の軽い癒着や狭窄があって、食物や水分、発酵による腸内ガスなどがたまったところに、腸の異常な蠕動運動が始まって起こる不協和音です。特に激しい腹鳴は腹中雷鳴とも呼ばれ、他人でもよく聴き取れます。
  お2人の体験のように、腹鳴は、ダンピング症候群の腹部症状の一つともされ、腹痛、下痢、悪心などの症状と一緒に起こることもしばしばです。
  対策としては、食事時間帯の規律を守り、ゆっくりとよく噛んで食べることが大切です。また、腸内ガスを発生しやすいサツマイモ、豆類を控えめにしてください。
  薬としては、腸内の異常発酵を抑制する乳酸菌製剤のビオフェルミン、殺菌作用のあるフェロベリン、また、ニンニク黒酢も効果的です。漢方では、下痢にも効く半夏瀉心湯、生姜瀉心湯などがお勧めです。

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