アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB371号(5/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹鳴
flower1 改善策が知りたい
兵庫県 Fさん (56歳)
  平成18年7月、胃の幽門側5分の4を切除しました。術後の後遺症の中でも腹鳴はどうしようもない症状です。腸の動きは自然現象なのでしょうか。私の腹鳴は空腹が関係します。特に長く空腹が続いた後、飲み物を飲むだけでも胃や腸に流れ落ちる音がします。腸内に発生するガスも腹鳴に影響するらしいと聞き、毎日ヨーグルトを食べています。
  外食時は、にぎやかな場所なら音も気にならないのですが、静かな所では気になります。飲み物も少量ずつ、ゆっくり飲み込み、食べ物はよく噛んで食べるようにしています。心の中で「音がしませんように」と祈るだけです。腹鳴が治まる方法はないのでしょうか。

flower2 ドクターから一言
  現在の胃や腸の長さ、太さ、形などをすぐに変えることはできません。腹鳴への対策としては、腸の中を通る食物の内容を工夫することが第一です。ゆっくり飲み、よく噛むことは最高です。異常発酵を抑える乳酸菌製剤ビオフェルミン、漢方の半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などもお勧めします。

flower1 おなかは鳴るが、下痢は治まる
群馬県 Tさん (83歳)
 平成18年6月、胃を全摘しました。手術後の出血が多く心配しましたが、大事に至らず、順調に回復しました。しかし、胃を摘出したことのショックが強かったせいか、食べ物を口にできませんでした。体力が回復せず、45日も入院しました。
  退院後は、食べたい気持ちはあるので食卓の前に座るのですが、ひと口、2口飲み込むと、食べた物がおなかの中を下っていくのが感じられて気持ちが悪くなり、食べ物を口に入れることができませんでした。
  体力が落ちて不安にかられているとき、知人からアルファ・クラブのことを聞き、入会しました。バックナンバーや協和企画発行の書籍を読み、心構えや知識を得ることで、心細いながらも覚悟ができました。
  食べる物や時間を気にせず、少量ずつ1日3食と、おやつを数回食べることで少しずつ慣れてきました。1回の量は小さい子どもと同じぐらいですが、食べるとすぐに腹鳴というか腸が動く様子にたえられなくなり、トイレに行くと下痢になりました。下痢は日に2〜3回起こり、トイレが間に合わないこともありました。術後2年ほどは食直後のトイレ行きが続きましたが、少しずつ落ち着き、今は下痢も治まりました。体重も順調に増えてきました。
  6年が過ぎた今でも、ちょっと消化の悪い物や食事量が多いと気持ちが悪くなり、トイレに飛び込んでいますが、下痢にはならず、おなかが鳴っているだけです。
  最近は、間食の量や回数も減りましたが、食事量が少ないので、間食をやめることはできません。 

flower2 ドクターから一言
  食後すぐの腹鳴、下痢は腸過敏症の傾向もあったかと思われますが、さぞつらかったことでしょう。消化の悪い物は仕方ありませんが、下痢が治まってきたことは本当に努力の賜物です。術後10年を経過した患者さんでも、1日6食を続けている方もいますので、間食もしっかり続けてください。

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