アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB372号(6/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腸閉塞
flower1 よく噛み、炭酸飲料は避ける
新潟県 Yさん (57歳)
  私は中学1年の7月に、十二指腸潰瘍穿孔で、十二指腸と胃の一部を切除し、ビルロートII法で再建手術を受けました。11月に血清肝炎を発症し、約2ヵ月の入院生活を送りましたが、その後も腸閉塞の問題はありませんでした。
  時を経て平成19年4月、胃の不快感から51歳の誕生日に胃カメラ検査を受けたところ、胃癌が見つかり、5月に全摘手術を行い、ルーワイ法で再建しました。
  9月に復職。翌年1月、突然の腹痛で病院に行くと、術後の癒着による腸閉塞と診断されました。すぐに点滴と鼻からのチューブ挿入が施され、「10日間ほど様子を見て回復しなければ手術を」といわれました。結局、開腹手術になりましたが、幸い腸は切除せず、へその辺りに付いた脂肪の帯を取り除くのみで、30分ほどで終わりました。その後もたびたび腸閉塞を起こし、1週間ほどの入院を4回も経験しました。
  胃の全摘手術から5年以上たち、主治医からは「癌そのものは治癒しました。腹痛やおなかの不快感は術後の後遺症」といわれています。とにかく食事はゆっくり、よく噛んで食べること、ビールなどの炭酸飲料は飲まないことを心がけなければなりません。薬は消化酵素薬ベリチーム、大建中湯、整腸薬ラックビー、消化管内ガス駆除剤ガスコン、緩下剤を飲み、痛みの強いときに鎮痛薬ボルタレンを使用しています。ただ、おならのにおいには家族にたいへん迷惑をかけています。これからも体調に気をつけ、定年まで頑張ろうと思っています。

flower2 ドクターから一言
  腸閉塞は、腸管の外壁による反応で癒着、屈曲が起こり、食物が通らなくなった状態をいいます。もちろん腸管の中を通る食物の状態も影響します。Yさんが心がけている、食物をゆっくりと噛むことは、消化吸収を良くするための大原則で、腸閉塞防止にきわめて大切なことです。服用している薬はやや多目ですが、自分に適した養生法で頑張ってください。

flower1 早食い改め、運動を欠かさない
東京都 Kさん (63歳)
 平成18年7月、胃を全摘し、ルーワイ法で再建しました。術後半年、急激な腹痛に襲われ、慌てて病院に行くと腸閉塞との診断で、即入院となりました。退院時に主治医から再び、腸閉塞を起こさないようにと、食事や日常生活の指導を受けました。
  若いときから早食いで、よく噛まずに飲み込んでいました、それが腸閉塞の原因と教えられました。できるだけゆっくりよく噛んで食べるように心がけました。また、腸の運動が活発になるようにと、毎日30分のウォーキンングを続け、入浴時にはおなかのマッサージも行いました。おかげで腸閉塞は起こっていません。

flower2 ドクターから一言
  同じような手術をしても腸閉塞の起こりやすい体質があるようです。いずれにしても、早食いは食べ物の消化・吸収を妨げる悪条件の一つです。よく噛むほどに消化酵素もよく出るものです。適切な運動とともに益々の健康維持されるよう、お祈りいたします。

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