アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB374号(8/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つかえ
flower1 温灸とマッサージで治まる
千葉県 Oさん (77歳)
  平成18年5月、悪性リンパ腫で胃を全摘しました。術後は抗癌剤による化学療法を半年間続けました。そのあとは3ヵ月ごとに血液検査をしています。
  術後はつかえ、胸やけ、腹痛、おなら、便通障害(下痢や便秘)などの後遺症や抗癌剤の副作用に苦しみました。中でも、つかえはなかなか改善せず、いつまでも悩みの種です。アルファ・クラブの会報で教わった、食べ方の基本「一度に食べ過ぎず、よく噛んでゆっくり食べること」を心がけていますが、おいしい物があると、つい急いで食べてしまう癖が抜けず、それが原因で七転八倒の苦しみに襲われることもあります。そのときには、妻に食道からおなか全体へ温灸とマッサージをしてもらい、治まっています。
  朝5時頃起床、温かい牛乳を飲み、バナナを1本食べて散歩に出かけます。帰ってから朝ご飯を食べますが、メニューは玄米ご飯に梅干しと焼き魚です。昼食は散歩を兼ねて立ち寄る喫茶店で、ホットサンドを食べ、コーヒーを1杯飲みます。午後3時には、自家製カスピ海ヨーグルトに妻の作るブルーベリージャムを入れて食べます。夕食は、かわいい孫娘の笑顔を見ながら、焼酎のお湯割りを小さな杯に少しずつ入れて飲みます。孫娘や家族とゆっくり話をしながら食べています。
  昭和20年の終戦の年に米軍のB29の焼夷弾の空爆で家は焼け、父は40歳で病死しました。現在、胃を切除した私が、父の2倍近い年まで生き続けていられることを不思議に思う一方、これも家族の協力と励ましがあったからと感謝しています。

flower2 ドクターから一言
  胃切除後7年を経過し、また日常の食事の実態を把握し、非常に良好な生活状態にあるものと思われます。急いで食べたときのつかえには、温灸がよく効くようですが、おそらく自律神経の緊張を和らげてくれるからだと推定されます。すばらしいことです。食べ過ぎは、人間だれしもあることですから、あとは悟りですね。

flower1 食事中に動き回ります
石川県 Mさん (60歳)
  平成17年3月、胃癌で胃の幽門側を5分の4と胆のうを切除しました。術後はつかえ、胸焼け、腹痛などで苦しみました。特につかえはひと口食べるたびに起こり、苦しくなりますが、立ったり座ったり、歩き回ったりすると少しずつ治まります。ただ、食事中に動き回ると、家族が落ち着いて食べられないというので別室でテレビを見ながら1人で食べましたが、気持ちが悪くなりました。
  友人から「外食でもしましょう」と誘われ、思い切って出かけました。おしゃべりをしながら食べると気持ちも明るくなり、楽しかったです。

flower2 ドクターから一言
  手術のつなぎ目が少し狭く、固くなっているのでしょう。動き回ったり、お友達とのおしゃべりで、食道のつなぎ目が動き出し、少しずつ食物が下りていくものです。食前にぬるま湯を一口飲むと良いでしょう。漢方の茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)、二陳湯(にちんとう)、六君子湯(りっくんしとう)などを服用すると、つかえがとれてくることがあります。

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