アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB376号(10/'13)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹痛
flower1 10年以上たっても改善なし
千葉県 Hさん (63歳)
  平成14年3月、胃がんで胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。術後、食べ始めてから30分前後たつと、おなかが張って痛み出し、下痢になりました。食べるたびに腹痛、下痢が起こり、主治医に相談すると「少量をゆっくりとよく噛んで食べるように」と教えてもらいました。
  しかし、今でも食後の腹痛は治まりません。おまけに以前は腹痛も軽かったのですが、最近は強烈な痛みで、あぶら汗が流れてきます。それでも下痢便が出ると、痛みはウソのように治まります。食べる物は消化の良い物を選び、ゆっくりとよく噛んでいますが、改善しません。

flower2 ドクターから一言
  食後30分ぐらいで痛むというのは、食物は腸の中ほどに達しています。その辺に癒着や腸の屈曲、ねじれがあることも考えられます。消化力も悪く、下痢によって大便に放出されて治ることも考えられます。一度、腸のX線検査をすると良いでしょう。また、漢方の半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を試してみてください。

flower1 腹式呼吸で腹痛も改善
東京都 Mさん (77歳)
  平成20年7月、胃癌で胃の幽門側を3分の2切除しました。胃癌が発見されたいきさつは、当時、歯が悪かったため、食事のときにあまり噛めずに食べていました。そのせいか、食後に必ず腹痛が起こりました。
  数日間もその状態が続いたので病院で診てもらうと「すぐ胃カメラ検査をしましょう」といわれ、結果は胃癌とのことでした。私の家族やその周りで癌になった者はいませんでしたので、癌といわれても一瞬信用できませんでしたが、思い切って手術を受けました。
  術後半年ほどは食後の腹痛に悩まされました。逆流や胸やけも起こるので、就寝時には仰向けはもちろん横になることができず、座ったままで寝たこともありました。手術前に58kgあった体重は、11kg減って47kgになりました(身長163cm)。
  私は以前から糖尿病も患っており、それが関係しているのかどうかはわかりませんが、後期ダンピング症状(低血糖症状)はあまり起こりませんでした。でも、いつも体調良好というわけではなく、腹痛が治まらず、体調の悪い日もありました。
  しかし、いつの間にか腹痛が軽減したのですが、それはハーモニカのおかげではないかと思っています。私は長年、趣味でハーモニカを吹いていますが、体調の悪いときでも吹いていました。ハーモニカを吹くと腹式呼吸になり、腹筋が鍛えられます。腹筋が強くなることで腸に刺激が与えられ、腹痛が軽減してきたのではと自分で思っています。
  現在、術後5年ですが、体重も55kgまで増えました。体にも異常はなく、安心しています。

flower2 ドクターから一言
  胃癌手術後の腹痛は、同じような術式、再建の方法を行っても、個人個人によって千差万別です。Mさんの場合、ハーモニカの吹奏で腹式呼吸をすることから、腹筋が鍛えられ、それが腹痛防止に役立ったものと思われます。すばらしい努力の賜物です。再発もなく、今後ますますのご健康を祈ります。

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