アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB379号(1'14)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 胸やけ
flower1 粘りのある食材で軽減
千葉県 Mさん (50歳)

  5年前の7月、胃を全摘しました。手術前は、時間がたてば何でも食べられるようになるものと思っていました。しかし、術後1ヵ月、抗癌剤治療が始まると、どんどん食べられなくなりました。その頃、実母が癌で亡くなったことも重なり、術前70kg近くあった体重が38kgまで減り、その急激な体重減少と抗癌剤の副作用で体が思うように動かず、寝たり起きたりの生活になりました。
  食事は赤ちゃんの粉ミルクから始め、介護職や離乳食へと慣らしましたが、少し食べられるようになると胸の辺りに違和感が起こりました。そこで、水分を少しとってから食べると、今度は詰まるような感じや胸やけのような症状が起こり、かなり苦しくなりました。右手の拳で、円を描くように胸をなでたり、夜の9時や10時でも散歩に出かけたりしました。会報に納豆やヤマイモ、オクラなどの粘りのある物が良いと載っていたので、それらを取るようにすると、かなり軽減しました。
  今でも天気や気温、体調の変化で、胸の辺りと背中が言葉では表せないような痛みを感じます。そのときは腹巻の2枚重ねや、貼るカイロなどで背中や胸、おなかを温めます。
  胸やけ、おなら、冷えや、ダンピング症状はひと通り起こりますが、着実に良くなっています。毎日の散歩と、地域のラジオ体操に参加できるまでになりました。 

flower2 ドクターから一言
  胃を全摘されたのですから、アルカリ性の十二指腸液の逆流による胸やけでしょう。以前から胸やけ対策には粘り気のある食材が良いとされています。いろんな努力に感服します。5年経過されたので、さらに改善されるでしょう。


flower1 左肩を下にして寝ます
埼玉県 Mさん (66歳)

  平成18年9月、胃癌で胃の中央部を5分の4切除しました。その3年後、今度は前立腺癌で手術を受けました。胃の真ん中を切除したせいか、ダンピング症状も起こらず、元気に過ごしていましたが、最近、カレーライスやサンマ、イワシなどを食べた日には、就寝中に胸やけが起こり、胃がジリジリして眠れません。そのたびに、胃酸の分泌を抑制するランソプラゾールやスルピリドを飲んで痛みを抑えています。酒やコーヒーを飲むと、痛みはありませんが、むかむかします。
  右肩を下にして寝ていると胸の辺りが苦しくなり、寝返りをして左肩を下にするとゲップが出て楽になります。日中もよくゲップが出て、のどが酸っぱく感じます。胃カメラ検査で食道がただれているといわれました。たびたび胃がジリジリすると、胃癌が再発するのではと不安になります。また、最近は足先が異常に冷えるので困っています。

flower2 ドクターから一言
  胸やけは、食材によっても起こりやすくなり、また人によって違いもありますので、食べた物をメモしておくことが大切です。術式にもよりますが、一般に左肩を下にして寝たほうが、逆流も少なくなり、胸やけを防ぐようです。足先の冷えには、漢方薬の当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)が良く効くので試してみてください。


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