アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB380号(2/2014)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。

ひまわり やせ
flower1 栄養のある食事と運動で
埼玉郡 Hさん (80歳)

  平成11年2月、空腹時に胸やけを感じ、順天堂医院を受診したところ、ピロリ菌が見つかり、胃潰瘍もあるとのことで除菌と潰瘍薬治療を行い、翌年治癒しました。しかし、19年の秋、再び胸やけを感じて地元に近い病院で胃内視鏡検査を受けました。結果は胃癌で、翌年2月に胃の幽門側を3分の2切除しました。
  手術後の顕著な変化は体重減少で、術前64kgだった体重は53kgに減りました(身長163cm)。また、若干の貧血状態も現れ、そのせいか、日常生活でもすぐに疲れてしまいます。散歩の途中でフラッとしてしまい、休むことも何回かありました。
  当初、食事は一人前を食べられませんでした。食事中に腹痛や膨満感が起こり、しばらく動けなくなったこともありましたが、30分くらい横になると元に戻りました。外食では時間がなくて食べ急ぐときもあり、下痢になることもありました。
  どうすれば体重が増え、貧血が改善し、下痢を止められるかを考え、栄養のバランスのとれた食事を1日3回、ゆっくりとよく噛んで食べること、そして毎日30〜40分のウォーキングを行うことを実行しました。朝、犬の散歩に出かける前には、バナナ1本とビタミンB12、葉酸、鉄が含まれているコーンフレークをヨーグルトに混ぜて食べました。
  術後5年がたって、担当医から、「術後の定期受診は卒業です」といわれました。ただ、昨年6月に受けた人間ドックで「食道がやや赤いので逆流性食道炎を起こさないように、食事中と食後の体勢には気をつけるように」と注意されました。このことを念頭に置きつつ、健康で楽しい余生を過ごしたいと思います。 

flower2 ドクターから一言
  標準体重の計算式は、いろいろな方法がありましたが、最近は、身長(m)X身長(m)X22とされています。これで計算すると、Hさんの標準体重は58.5kgくらいになります。いずれいにしても、やせは摂取する栄養の量と吸収する腸の力に左右されますが、すべて個人の適度な基準になります。


flower1 体重は気にしない
広島県 Aさん (65歳)

  胃癌で胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除して10年です。術後は4〜5歳の子どもの食事量と同じくらいしか食べられず、半年過ぎには体重は20kg近くも減ってしまいました。術前は太り過ぎだったので、やせられたことは良かったと思う反面、やせ過ぎて、何をするにも、すぐ疲れて動けなくなるのが悩みでした。
  体力をつけるために、毎日1時間、近くの公園まで散歩し、カロリーメイトなどの栄養補助食品をとりました。
  体重はあまり増えませんが、徐々に家事もこなせるようになり、体力もついてきたようです。あまり気にしないようにしています。

flower2 ドクターから一言
  標準体重はあくまでも一つの目安です。気にしないというAさんの生活態度は、とても良い結果を導いたすばらしい体験だと思います。もう少し体力をつけたいと思う場合は、漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)か十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を試みると良いでしょう。


→ 「胃を切除した人の後遺症対策」トップへ

Copyright(C) 昌平クリニック. 記事の無断転載を禁じます