アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 271号(1/'05)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 痩 せ
flower1 “快食快便”をモットーに
東京都 Aさん (77歳)
  17年前、胃癌で胃の5分の4を切除しましたが、4年前に残胃癌が発症し、再手術で全摘しました。術後、うつ症状や腸閉塞に苦しみ、食欲もなく、82kgの体重が55kgまで減りました(身長176cm)。体力、気力もなく歩くこともできない状態になり、何とかしなければと毎朝ウォーキングを始めました。今は顔なじみになった仲間と楽しいひと時を過ごし、食事も量より質と、穀類、野菜、魚、肉の多品目をとり、おやつにカロリーメイトや好物のセンベイを食べます。外食や旅行で気分転換を図り、週末は競馬で遊び、離れて暮らす子供たちとはEメールと、ゆとりある日々を心がけています。
  今もつかえや便秘がありますが、“快食快便”をモットーにスマートになった私をうらやむ家族を横目に、62kgに増えた体重を維持しています。やせても気持ちの持ち方が大事だと思います。

flower1 気ままな日々を過ごす
Yさん (62歳)
  平成11年10月、旅行中に突然胃が痛み、市販薬で対応しました。その後、痛みも治まり、そのまま過ごしました。半年後、会社の健診を受けた際、精密検査を受けるようにといわれ、専門病院に行きました。
  結果は胃癌で「すぐに手術を」といわれ、12年5月、胃、脾臓を全摘しました。ところが、翌年、重複癌で左腎と胆のうも全摘になりました。食欲もなくなり術前58kgあった体重が36kgまで減り(身長156cm)、さらに骨粗鬆症にもなり、ポシェット1つ持てないほど体力が落ちました。家族に心配をかけてはいけない、元気になろうと毎日1人で遠くの公園まで散歩に行き、また、料理の本を見ては自分に合う食べ物を工夫して作りました。
  今は食べたいときに食べ、寝たいときに寝るという気ままな日々を送り、おかげで体重も40kgまで回復しました。心身の余裕を持ち一日一日を大切に過ごしています。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  「やせ」は医学的に標準体重の20%以上減少した状態をいいます。胃手術後のやせの主な原因は、胃を全摘、または部分切除して胃が小さくなり、一度にたくさん食べられなくなることから、摂取カロリーが減少すること、さらに、術後は胃腸の働きが悪く、食べた物の消化吸収が十分に行われないことです。つまり栄養吸収障害が主な原因です。
  しかし、胃手術後でも、ある程度以上はやせることはなく、多少やせても体重が安定していれば、摂取と消費のカロリーのバランスがとれている証拠ですから心配は要りません。お2人とも、すばらしい心がけで困難を克服されています。この気の持ち方がやせの回復にも影響するものです。太るためだけにホルモン剤などを使うのは、避けるべきです。漢方では、補中益気湯、十全大補湯が病後の体力増強、疲労回復に良く、気を補うとされています。

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