アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB386号(8/2014)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。

ひまわり 腹 痛
flower1 漢方薬が効くようです
滋賀県 Nさん (70歳)

  平成5年11月、胃に悪性リンパ腫が発生し、胃を全摘しました。
  当初は後遺症に悩まされ、山あり谷ありの毎日でしたが、徐々に慣れてきて、薬で対応できるようになりました。食べ過ぎや飲み過ぎ、長時間の腹部を圧迫する姿勢により、上腹部が痛みます。そんなときは漢方薬の六君子湯が何となく効くようです。常時は消化酵素薬のエクセラーゼ、消化管運動賦活調整薬のガスモチン、消化管運動促進薬のプリンペランを服用しています。5年ほど前から、ヤクルト400を飲み始めましたが、腸に良いようです。
  術後20年以上たちますが、今も年1回、胃カメラ検査、造影CT検査、腫瘍マーカー検査を受けています。
  趣味の菊作りと畑仕事で体を動かし、好きな演歌を聞きながら晩酌に缶ビールとお酒を少々嗜み、孫を相手に日々、楽しんでいます。

flower2 ドクターから一言
  術後管理の工夫は、自分の病気の知識をしっかりと持ったうえでいろんな工夫をすることです。胃悪性リンパ腫で、後遺症にも悩まされたようですが、克服されて良かったですね。術後、20年以上たち、もう再発はないでしょうが、他の病気のこともあるので、これからも年1回の検査は受けましょう。漢方薬の六君子湯は術後の身体には優しい薬の一つです。


flower1 早食いは要注意
北海道 Sさん (68歳)

  平成21年1月、食道癌で食道を全摘、リンパ節も切除し、胃を管状に持ち上げてのど元で接合しました。術後、接合部が腫れて水分も流動食も通りませんでした。退院後もつかえて食べられず、ブジーで、のどの狭窄部を拡げてもらいました。5回目の拡張術後から少しずつ食べられるようになりましたが、その間は経腸栄養剤で栄養を補給しました。
  今は消化の良くないタコ、イカなど以外は何でも食べられますが、量は術前の約半分なので、食後2時間もたつと空腹になります。おなかがすき過ぎて、つい急いで食べてしまうと、食べた物が一気に腸へ落ちてしまい、気が遠くなるほど下腹部が痛み、寝込んでしまいます。1時間ほどで目覚め、痛みは治まっていますが、早食いは要注意と肝に銘じています。食べ過ぎないことや、低血糖にならないような食べ方は、一生の課題と思います。
  退院時の札幌の街は一面銀世界でした。道路は滑りやすく、2ヵ月ほど外出を控えていたら、足が弱り、歩くのがつらくて悲しい思いをしました。日々、体を動かすことがいかに大切かを痛感しました。今は週1回のピラティス(胸式呼吸を用いるストレッチ法)、月1回のランニング教室に通い、一昨年から参加した市民マラソン(5km)に今年も出るべく準備をしています。元気に生活できることに感謝しています。

flower2 ドクターから一言
  5年前に食道癌で手術され、食道と胃の吻合部狭窄で苦労されたようですね。早食いは要注意という悟りは、長い人生を生き抜くための大きな力になります。退院後、身体を動かすことの大切さを痛感され、運動を続けられるのはすばらしいですね。


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