アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB387号(9/2014)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。

ひまわり 下 痢
flower1 六君子湯で下痢が改善
北海道 Eさん (63歳)

  胃癌が見つかったのは平成18年12月でした。転勤族の私は、その年の7月に、函館から日本の最北端の稚内に転勤したばかりでした。人間ドックの担当医から、「再検の結果、胃に癌細胞が見つかったので、至急、手術する病院を探してください」といわれました。
  稚内市は専門病院が少ないことから、大病にかかると、ほとんどの方が列車で5時間かかる札幌の病院に行って治療を受けていると聞いていました。しかし、幸いにも、地元の中核病院では外科の先生が充実していると説明を受けたので、地元の病院で手術することにしました。
  担当医から、「癌は胃の変形部分の粘膜の浅い部分にあり、早期なので内視鏡下で切除を行います」との説明を受けましたが、内視鏡下ではすべての癌細胞が剥離できず、外科手術に切り替えて胃の幽門側2分の1を摘出しました。
  術後、いろいろな後遺症が出ることは覚悟していましたが、味覚障害には困りました。どんな肉を食べても、鶏肉の味になりました。食事量は術前の半分以下なのに、食べるたびに下痢になるので、外出の予定があるときは、食べずに出かけました。また、外出先での間食も、味見程度の少量にとどめました。
  術後5年が過ぎ、担当医から「もう再発はしないでしょう。大丈夫です」とのお墨付きをいただいた頃、本誌で下痢の症状緩和に漢方薬六君子湯(リックンシトウ)が有効との記事を見つけました。早速試してみると、数日で下痢の症状が改善され、かなり楽になりました。今は、これが自分の体と認識して、仕事、ゴルフ、趣味を楽しみ、老後を過ごしたいと思っています。

flower2 ドクターから一言
  六君子湯は一般に体力や胃腸機能が低下し、食欲不振、手足の冷え、みぞおちの振水音(ぽちゃぽちゃ音)がある人に、よく効くといわれる漢方薬です。Eさんの症状によく合っていたので、改善が速かったものと思います。これからも、老後の生活を楽しまれますよう、お祈りいたします。


flower1 何を食べても下痢になる
宮城県 Sさん (67歳)

  平成14年2月、胃癌で胃と胆のうを切除しました。術後は何を食べても下痢が頻繁に起こりました。量に関係なく、ひと口食べるだけでも下痢になりました。乳酸菌が腸に良いと聞き、毎日、ヨーグルトもとりましたが、効果はありませんでした。
  術後12年たっても、下痢は相変わらずです。消化の良い物を選んでよく噛んでいるつもりですが、日々、同じ物を食べて下痢になることもあれば、反対に便秘になることもあります。下痢にも慣れましたが、できれば改善したいです。

flower2 ドクターから一言
  胃と胆のうを切除後、下痢に耐え、12年の歳月を経験した努力に心から祝福をおくります。術後の下痢は、その人の体質、体調もありますが、どのような再建の術式をとられたかにもよります。再建術式は消化吸収に大変関係深い面があり、今後、さらなる研究が望まれるところです。六君子湯(リックンシトウ)、四君子湯(シクンシトウ)、啓脾湯(ケイヒトウ)などを試されても良いでしょう。


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