アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB390号(12/2014)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。

ひまわり 貧 血
flower1 鉄剤とメチコバールで改善
東京都 T さん (62歳)

  平成19年、54歳のときに血便と吐血があり、病院で検査を受けると胃癌と診断され、大学病院で胃を全摘しました。再発防止に抗癌剤ティーエスワンを6年間服用しました。
  術後、当初より倦怠感が続き、ヘモグロビンの減少が認められましたが、抗癌剤の副作用と思っていました。しかし、4年ほどたつと疲れの自覚症状が目立つようになり、かかりつけの内科医に伝えると「鉄欠乏による貧血」と診断されました。貧血は気になっていたので、鉄剤のサプリメントを服用したこともありましたが、先生は「貧血への対処として鉄分とビタミンB12は欠かせないが、鉄分を食物からとるには胃酸の働きが必要で、サプリメントを飲んでも意味がないです」といわれ、鉄剤とビタミンB12剤(メチコバール)の点滴注射を数回していただきました。その後、ヘモグロビン値も回復し、自覚症状も改善されました。定期検診のおかげで早期に対処できました。胃切除後に起こる貧血には、鉄分の欠乏状況を調べてもらうのが確実ではないかと思います。

flower2 ドクターから一言
  鉄欠乏性貧血は、貧血の中で最も主となる項目となっています。胃全摘後に起こる貧血には、鉄欠乏症が代表的で、疲労感、動悸、息切れ、浮腫などの症状を見ることが多くあります。Tさんの対応は大変良く、見事に貧血をクリアされたといえるでしょう。


flower1 漢方薬とビタミンB12の注射と整体体操で体調維持
鹿児島県 Oさん (69歳)

  平成7年に乳癌を手術、13年に胃癌で胃全摘手術を受けました。胃の異常を見つけてくれた病院で月1回ビタミンB12の注射と血液検査を受けていますが、この夏の検査でヘモグロビン値が限界ギリギリの値になり、鉄剤を処方してもらいました。主治医は内科の漢方医で、胃の手術後、体力維持と腸の調子を整えるために、体調に合った漢方薬を処方してくれています。1日4食に加えて間食をとります。それぞれが少量なので栄養に気をつけていますが、体重は増えません。牛乳は飲めず、つめが割れやすいのはカルシウム不足かもしれません。
  夏に絵の講習会があり、冷房の効いた部屋だったので指先が真っ白く冷たくなり、慌てて外に出て血の巡りを良くしたこともありました。毎年、夏の終わりには体調が崩れてフラフラします。ゴルフや無理な活動をした日の夜には、上半身に発疹が出ます。また、2年前から円形脱毛症になりました。ストレスのせいかもしれませんが、今は快方に向かっています。疲労がたまったり、頭を使ったりすると欠糖状態になるので黒糖入りのアメを携帯しています。
  絵画やゴルフ、体調維持ができるのも漢方薬とビタミンB12の注射と整体体操のおかげと思っています。

flower2 ドクターから一言
  乳癌、胃癌と重複しての癌手術にたいへんな思いをされましたね。漢方薬をご使用とのことですが、現代医学の検診も大切です。異常があれば、早めに検査を受けましょう。何事もやり過ぎないことが大切です。


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