アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB402号(12/2015)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。

ひまわり 腹 鳴
flower1 気にせず、ゆっくり食べる

徳島県 Iさん (57歳)

  平成21年12月、胃がんで胃を全摘しました。退院後は食欲もなく、少し食べるだけでもつかえて苦しくなりました。何を食べてもおいしくないので、食べることが苦痛でした。術前49kgあった体重は、術後43kgまで減り(身長156cm)、「これ以上はやせたくない、体力をつけて元気になりたい」の一心で、毎日、決まった時間に1日4回に分けて頑張って食べました。
  食後はいろいろな後遺症が起こりました。食べるとすぐに腸が動き始め、グルグルとおなかが鳴ります。急いで食べるとつかえたり、寝る前に食べると夜中に逆流が起こったりしました。
  いろいろ考えて、時間をかけてゆっくり食べることや、夕食は早めに済ますことなど、少しずつ対策がわかってきました。しかし、腹鳴だけは、なぜ、おなかが鳴るのか、どうしたら止められるのかわからず、対処できませんでしたが、そのうちに鳴っても気にしないようにしていたら、だんだんと減ってきたように思います。
  今でも脂っこい物を食べたり、少し食べ過ぎたりすると、下痢になります。でも、胃がなくてもおなかは空くし、好きな物はおいしく食べられるようになりました。とにかく、少しずつゆっくり、よく噛んで食べることが、多々ある後遺症を軽減する一番の方法だと思っています。

flower2 ドクターから一言
  確かに腹鳴の対応は容易ではありません。自分の意思ではどうにもコントロールできない自己管理外の領域があるのです。食べ過ぎよりは、やや少なめに食べているほうが良いかもしれません。悟るということが人生を楽しくしてくれるでしょう。


flower1 自然治癒しかない
千葉県 Sさん (65歳)

  平成24年3月、胃がんで胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。術後、食事はよく噛んで食べていました。
  ところが、食後におなかがグルグルと大きな音を出すので、周りの人が驚きました。先生に対策法を聞くと、「腹鳴を止める方法はない」との返答でした。会報にも、「腹鳴は特に対策はなく、自然治癒を待つ」とありました。このまま我慢していたら、治まるのでしょうか。

flower2 ドクターから一言
  自然治癒も一つの対応ですが、古代の人も悩みを解決しようと努力したようです。2000年昔の中国の古典医学書『金要略』(きんきようりゃく)に漢方薬の附子粳米湯(ブシコウベイトウ)があり、「雷鳴、切痛」と称される腹鳴、腹痛の妙薬とされています。症状が適合するようですから、一度、試してください。


<私の食生活> 1日1万歩を目標とし 朝食、昼食に重点を
兵庫県 Sさん (63歳)

  平成20年2月、早期胃がんで、胃の噴門側を2分の1と胆のうを切除しました。
  術後3年ほど、就寝中に逆流が起こりましたが、ダンピング症状はほとんどありませんでした。体重を増やしたくて、1日中何かを食べていましたが、なかなか増えません。気持ちを切り替えて体力をつけようと1日1万歩を目標に体を動かしました。
  食事は朝と昼に重点を置き、朝は牛乳、果物、野菜サラダ、ヨーグルト、パン、昼はステーキ、おすしと何でも食べました。間にはヤクルト400やカロリーメイトゼリー、お菓子、夜は消化の良い物を食べました。体重は元に戻りませんが、逆流、便秘、貧血、カルシウム不足もほとんどありません。口腔ケアにも心がけました。今は体力もつき、普通の生活を送れることに感謝しながら、日々暮らしています。



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