アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 279号(09/'05)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つ か え
flower1 ウォーキングを続けて 
栃木県 Tさん (60歳)
  平成12年12月、胃癌で胃の上部2分の1を切除しました。術後、つかえがひどく、お粥やベビーフードなどを一口とるだけでも、のどがふさがれたように苦しくなり、水も飲めません。そのまま30分ほど、座いすによりかかりじっとしています。症状が治まってから、また一口と、気の長い食事のとり方でした。つかえずに食べられる物はアイスクリームかヨーグルトだけで、体重は48kgから38kgに減りました(身長150cm)。体を動かしたほうが良いといわれ、ウォーキングを始めました。4年過ぎた今も続けていますが、体調が良くなり、体重も40kgに増えました。

flower2 ドクターから一言
  手術直後のつかえの苦しさは、食道と胃腸のつなぎ目の浮腫によるものでしょう。漢方薬の茯苓飲合半夏厚朴湯やプリンペランなどが消化管の機能を調整する良い薬です。ウォーキングは全身運動になるので血流が良くなり、胃腸の動きも整えられます。


flower1 ゆっくりと食べる
大阪府 Kさん (81歳)
  平成14年2月、胃癌で胃と脾臓を全摘。現在、2ヵ月に1度の定期健診を受けています。術後、胸やけ、逆流、つかえ、倦怠感などの後遺症に悩まされ、特に、つかえは緊張したり、食べ過ぎたり、急いで食べたときに起きます。そのときは、無理に吐き出すか、頭のほうを高くしたベッドで30分ほど横になって、落ち着くのを待ちます。主治医からは、軟らかい物をよく噛んでゆっくりと食べるのが良いといわれました。
  食事は、果物、牛乳、ヨーグルト、チーズ、納豆、豆腐、レバー、梅干、長芋、レタスなど栄養価の高い物や、少量でも肉や魚も食べるようにしています。最近は、ゆっくりと食べるせいか、つかえも少なくなりました。

flower2 ドクターから一言
  つかえは食べ物の選択と食べ方の工夫が必要です。よく噛んでゆっくり食べることが一番です。特にわかめ、のり、ほうれんそうの葉などは、腸壁などにへばりつきやすいので、よく噛んでください。

flower1 ストレッチングで改善 
東京都  Sさん (58歳)
  平成14年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘しました。術後、ダンピング症候群や胸やけ、つかえで苦しみました。一口食べてはつかえて苦しくなって吐き出し、食事をするたびににがい思いをしました。
  ある日、つかえで苦しんでいたとき、何気なく両手を上に上げ背中を伸ばしてみました。すると、つかえが軽くなり気分がすっきりしたのです。それからは、つかえが起きると、両手を上に上げて胸を反らし、ゆっくりと深呼吸をしています。ストレッチングをするようになってから、楽になりました。

flower2 ドクターから一言
  苦しい体験からのストレッチングは、すばらしい工夫です。昔の曲芸師が口から長い棒を飲み込むときも背筋をピンと伸ばしたものです。深呼吸は神経をリラックスさせ、つかえを和らげます。

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