アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 280号(10/'05)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹 痛
flower1 食事は量より内容 
兵庫県 Kさん (54歳)
  平成12年7月、胃癌で胃を全摘。術後、1ヵ月に1kgずつ体重が減り続けたので、食べなければと焦る気持ちが強く、つい食べ過ぎては腹痛で苦しみました。
  大切なのは食べる量ではなく、どれだけ栄養分を吸収できるかということに気付いてからは、朝は消化吸収の良いジュース、昼は玄米粥と梅干、果物をとり、そのほか、豆乳に抹茶や玄米粉、メープルシロップを入れて飲みました。夕食は家族と一緒の食卓ですが、私は肉類は食べず、和食中心にしてヨーグルトや納豆を必ず食べました。また、寝る前におなかのマッサージをするようにしてから、便通も良くなり、腹痛もなくなりました。
  食べる量にこだわると、おなかに負担がかかるので、消化の良い物を適量とることが大事です。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘後の腸による代用胃では、それぞれに形、大きさが異なり、消化吸収の能率が低下しています。
  体験されたように、適量の消化の良い食物が理想です。腹痛には、ブスコパン、ストロカイン、芍薬甘草湯などが有用です。

flower1 気にしない
神奈川県 Sさん (68歳)
  今から18年前、50歳のとき、胃癌で胃、脾臓、胆のうの全摘と膵臓を部分切除しました。苦しい闘病生活が続き、このときばかりは、もう二度と職場には復帰できないと思いました。
  退院後の食事は、妻が私の体力が回復できるような献立を考えてくれ、数ヵ月先には、好きなおすしやラーメンを食べられるようにすることを目標にしました。今も、腹痛や下痢、つかえは治りませんが、私なりに工夫してみました。
  (1)少量を分けて食べる (2)酒は飲まない (3)定期的に診察を受ける。それでも腹痛や下痢が起きるときはそれは宿命と思い、少々のことは気にせず、のんびりと暮しています。

flower2 ドクターから一言
  長い術後の療養から、達観された気の持ち方は立派です。腹痛は体の中から発する一つの注意信号です。痛みの部位、強さ、長さ、食事の内容などを記録しておくと、たいへん役立ちます。いつもの腹痛と異なると思ったときは、受診してください。

flower1 おなかを温めて
千葉県  Tさん (58歳)
  平成14年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘。術後、食事のたびに腹痛で苦しくなり、食べられませんでした。痛いときは温めると良いと聞いたことがあったので、蒸しタオルでおなかを温めました(レンジで簡単に蒸しタオルができます)。また、お風呂でおなかのマッサージをしているうちに、腹痛も軽くなってきました。

flower2 ドクターから一言
  応急手当として貴重な体験ですね。腹痛の原因の一つに「冷え腹」があります。温めて治ったのは、腸の血流がよくなって、正常な動きを取り戻したからです。漢方薬の大建中湯も「冷え腹」によく効きます。

Copyright(C) 昌平クリニック.記事の無断転載を禁じます