アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 287号(5/'06)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 貧 血
flower1 あきらめないをモットーに
大阪府 Iさん (67歳)
昭和55年5月、胃癌のため、胃、脾臓の全摘手術を受けて、早26年になります。その間、いろいろな体の変調を経験するたびに、先生の指導のおかげで克服してまいりましたが、今でも苦しんでいるのは、下痢と貧血です。最近の検査結果で、貧血の数値がかなり良くなっているといわれるのですが、いまだに少しでも疲れるとふらつきが起こり、気分が悪くなります。とにかく食事には気を使い、少しずつでも、できるだけバランス良く食べるようにしています。
  私なりに「頑張らなくても良いから、あきらめない」をモットーにして、後遺症とうまくつき合いながら、ゆっくりと年を重ねていければ良いと思っています。

flower2 ドクターから一言
岩本さんの努力はすばらしいものです。これからもあきらめないという気力を持ち続けることが大事です。貧血には、ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血などもあります。詳しい検査をしてもらってみてください。

flower1 体全体の改善策を考える
千葉県 Nさん (55歳)
平成11年8月、胃癌で胃を全摘しました。全摘のため、鉄分やビタミンB12が不足し、かなりひどい貧血に悩まされました。2ヵ月に1回のビタミンB12の筋肉注射と、メチコバール(ビタミンB12補給薬)の服用を今も続けています。一時期はフェロミア(造血薬)も服用し、食事にも栄養を考え気を使っています。
  術後4年が過ぎ、いつの間にか、さまざまな後遺症が軽減し、栄養不良や貧血も改善されました。現在、体重や体力は術前と同じくらいに回復しています。貧血だけの治療ではなく、体全体の改善策を考えることが重要だと思います。

flower2 ドクターから一言
体全体の消化吸収機能の改善に努められた心がけは良いですね。貧血は、舌の色の変化でもわかります。貧血により血液中の赤血球が少なくなると、舌の赤色度も低くなります。毎朝、自分で観察してみてください。

flower1 漢方薬を続けています
佐賀県  Yさん (77歳)
平成12年8月、胃癌のため、胃の幽門側3分の2と胆のうを切除。翌年6月、食堂直下小弯部に再発し、残胃の一部分を残してさらに切除しました。最近、倦怠感や疲労感が回復しないので検査をすると、鉄欠乏性貧血でした。残胃もほとんどない状態で、ほうれん草やレバーなどを食べても、鉄分の吸収率が悪く、欠乏するのは必然です。主治医が貧血による体力減少を心配して、漢方薬の十全大補湯を処方してくれました。
  また、本誌248号「後遺症Q&A」の多賀須幸男先生の貧血対策の解説はとても参考になりました。後遺症を克服するのは大変なことですね。

flower2 ドクターから一言
鉄欠乏性貧血には、腸から鉄分が吸収しやすいように、ビタミンCを一緒にとると良いです。十全大補湯のほかにも、よく似た作用をもつ人参栄養湯、四物湯などがあります。

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