アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 261号(3/'04)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腸 閉 塞
flower1 漢方薬を続けて
大阪市 Aさん (76歳)
  なんとなく胸やけやゲップが続くので、かかりつけの医院で受診すると、大きな病院での精密検査を勧められました。平成7年8月、早期胃癌といわれ胃を全摘しました。
  術後はつかえがひどく、食事どころか水も飲めない状態でした。
  それから3年過ぎた頃、突然、腹痛に襲われ、我慢できずに病院で診察を受けると、腸閉塞といわれ、即、入院となりました。2週間の入院でしたが、その間は、絶食と漢方薬の大建中湯(だいけんちゅうとう)を処方していただきました。
  退院後は食事にも気をつけ、食物繊維の物や、特にわかめやごぼうなどはとらないようにしました。
  術後8年を過ぎ、今も大建中湯を飲み続けていますが、一度も腸閉塞は起こらず、体の調子も良いです。
  骨粗鬆症で運動できないので、体力をつけるために近くのショッピングセンター街を毎日歩いています。

flower1 繰り返す腸閉塞がつらい
横浜市 Sさん (72歳)
  平成9年5月、早期胃癌で、幽門側3分の2を摘出した。1年後、突然腹部の激痛で入院。以後しばしば腹痛が起き、軽いときは1〜2日の絶食で改善するが、半年に1度は入院治療を受けている。昨年9月、10回目の入院を果たした。小腸癒着による単純性腸閉塞で、経鼻胃管やイレウス管の挿入と絶食、点滴で治療。主治医は手術を勧め、消化剤と大建中湯が処方されている。この大建中湯は効いているようだ。
  会報249号「医学教室−胃切除後の腸閉塞」(長谷和生先生)の日常の心得5ヵ条はとても有益で実行中。それでも起きるときは起きる。食べ過ぎ、早食いだけが原因ではなさそう。何かの拍子に腸が捻転して詰まるような気がする。春、秋の季節の変わり目や、過労も影響か? ゴルフ、お酒も許されてはいるが、これが悪いのだろうか? 鍼治療、気功も効果がない。繰り返す腸閉塞に困っている。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  胃切除後の後遺症の中で、特に厄介なのが腸閉塞です。天災のように突然激しい腹痛が起こって、腸内のガスが出なくなるのです。
  多くは単純性、癒着性の腸閉塞とよばれるものです。
  Sさんのように思い当たる原因はなさそうでも、やはり食べ過ぎ、早食いなど食事の取り方の注意が第一です。このほか、心身の過労、冷え性による場合が多いものです。
  ちなみに、腸閉塞のとき、腹壁の温度を測定してみますと低くなっているのです。そこで、お2人とも服用している大建中湯を投与しますと、30分くらいで血流が改善され、温度が上昇して腸が動き出すのです。したがって、腹部の保温も良いことです。
  繰り返し腸閉塞が起きる方は、腸管の痙れんを抑えるブスコパン錠を携帯して、すぐ服用するのも一法ですが、主治医の診察を受けるように勧めます。
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