アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 292号(10/'06)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つ か え
flower1 十分な咀しゃくが必要 
埼玉県 Sさん (71歳)
平成12年4月、幽門部にできた早期胃癌で、胃の3分の2を切除した。手術の翌日、主治医から積極的に歩き体を動かすようにといわれたが、30歳の頃から「歩けの会」に参加し、時間があると歩くことを楽しんでいたので、歩くのは苦痛ではなかった。おかげで術後の回復も良く、2週間で退院した。しかし、つかえ、逆流にはいまだに悩まされる。麺類が好物で、外食のときに十分噛んで食べたつもりが、店を一歩出たとたんに吐いてしまった苦い経験もある。
  対策は食べ過ぎない、そしてよく噛む、就寝は食後2〜3時間後。好きな酒は週末だけにしているが、毎日飲めないのが一番つらい。術後6年、元気で軽運送業をしている。

flower2 ドクターから一言
胃と腸の継ぎ目は、食物の通りやすさや逆流防止などを目的に、適切な大きさに縫合されますが、その際、継ぎ目部分の弾力性が失われるので、おおきな塊や小さくても固い食物はつかえます。この対策には、よく噛むことが基本ですね。

flower1 リラックスした環境が大事
東京都 Sさん (71歳)
平成11年7月、胃を全摘した。術後の悩みは食事中のつかえだった。食べた物が途中でつかえ、苦しくなっては吐き、また、食べ直すという繰り返しである。ある日、粘りのある食物はつかえないと聞き、朝食時に納豆、オクラ、山芋、メカブなどをご飯にかけて食べるようにした。昼食は仕事の関係で外食が多く、つい早食いになりつかえを起こす。ただ、食事中に水分をとるとつかえないようである。夕食は焼酎のお湯割りを2〜3杯飲みながら食べる。
  ゆっくり食べると癒された気分になるのか、つかえが起きない。のどの通りも良く至福の一時が味わえる。

flower2 ドクターから一言
食事中の水分摂取と同様に、食前にものどを潤すと良いでしょう。食物を体温に近い温度に温めて食べると、食堂や腸などの消化管の働きがスムーズになり、食物の通りも良いです。リラックスしてゆっくり食べましょう。

flower1 食欲増進に運動 
宮崎県  Fさん (74歳)
平成13年3月、胃癌で胃を全摘。術後、食事のたびにつかえ、しゃっくりとともに食べた物を吐き、苦しんだ。食欲はあるが、食後のつかえの苦しさには閉口する。栄養をとるためにと食べられる方法をいろいろ考えた。ミキサーを使いバナナとヨーグルトのジュースを作って飲む。雑炊やうどん、ソーメンなどの軟らかい物を多めにする。1回の量を少なくし5〜6回に分け、よく噛み、噛み切れない物を出すとつかえない。
  毎日ウォーキングやサイクリングをして体を動かすと、食欲もわき、足腰も鍛えられて一石二鳥である。

flower2 ドクターから一言
手術後は継ぎ目の状態により、一時的につかえのひどいことがあります。軟らかい物や分食は良い工夫です。大きめに切ったワカメ、ノリ、ホウレン草の葉などは、継ぎ目にへばりつくことがあるので細かく刻んで食べてください。

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