アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 298号(4/'07)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 嗜 好 の 変 化
flower1 無理をせずに食べる
東京都 Oさん (76歳)
  平成15年の夏、空腹時になると胃痛を感じ、近所の診療所で胃潰瘍と診断されて、薬を飲んでいました。なかなか改善されなかったので胃内視鏡検査を受けると胃癌が発見され、12月、胃の幽門側を3分の2切除しました。退院時に、病院から食事の注意などを受けましたが思うように食べられず、毎日、妻が献立作りに大奮闘していました。以前はあまり好きではなかった野菜や魚が主体になりましたが、無理をせず食べられるものから食べました。
  3ヵ月が過ぎて、ビールも少々飲めるようになり、食事量も増え、体重も戻り始めました。また、手術前から朝晩コップ1杯の水を飲むのが習慣でしたが、術後もできるだけ水分を多めにとりました。順調に回復しましたが、難をいえば不規則な下痢と便秘とガスに悩んでいます。

flower2 ドクターから一言
  嗜好は人によって異なりますが、一般的に、好きな物ほど消化吸収もよく、その方に適しているものです。好物を一番よく知っている奥様の献立のおかげで、順調に回復したと思います。

flower1 和から洋に替わった朝食
石川県 Nさん (60歳)
平成14年4月、胃を5分の4切除しました。術後は下痢、腹痛、膨満感、腹鳴などに悩まされていました。5年たった今でも下痢だけは改善しません。術前は和食だったのですが、術後はご飯が1口ほどしか食べられなくなり、みそ汁も飲めなくなりました。その代わり、以前は好きではなかったパンが食べられるようになり、朝は洋食に変えたので家族も驚いています。ただ、油分の強い物はやはり食べられません。

flower2 ドクターから一言
  朝食が和食から洋食に替わったのは珍しいですね。その食事の中身が淡白になったのだと思います。一度、亜鉛値の検査をしてみてください。慢性の下痢には、漢方の人参湯、啓脾湯などを続けてみてください。

flower1 体調に合わせて自分で作る
Yさん (38歳)
  平成14年1月、胃癌で胃を全摘しました。以前は飲み食いが大好きで好き嫌いもなく食べていたのですが、術後は油分の多い肉や魚、牛乳、生卵が合わず下痢や嘔吐を繰り返し、体調が悪いときはにおいをかぐだけでも気分が悪くなりました。妻や母も協力していろいろ作ってくれましたが、細かい注文まではできず、毎日頭を悩ませていました。そこで、自分の体調に合わせて、家族の分も含めて私が作ることにしました。
  5年がたち、食事に対するトラブルが減り、体調良好になってきました。料理の腕が上がったと、われながら自負していますが、自分が食べたい物を体調に合わせて、気に入るように作ったのが良かったようです。

flower2 ドクターから一言
  健康を取り戻し、料理の腕も上達とは、一石二鳥の素晴らしい努力ですね。油分の多い物が合わないのは、体自身が必要としていないのです。嗜好は視覚、嗅覚、味覚などの総合感覚が影響します。
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