アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 299号(5/'07)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 アルサルミン液を常備
兵庫県 Hさん (77歳)
  平成15年5月、胃を全摘。術後は就寝中の逆流に悩まされた。胆汁か腸液かわからないが口中までこみあげてきて、のどが焼けただれるように痛い。電動ベッドを使い、頭のほうを高くして、ほとんど寝返りもせずに寝るのが習慣になった。それでも逆流は起こるが、そのときはアルサルミン液(粘液保護薬)を飲み、キャラメルを食べる。逆流しそうなときはアルサルミン液を飲み、チーズ、くず湯、クリームシチューなどを飲む。粘膜の保護や予防になっていると思うが、私の気休めだろうか。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘後に起こる逆流は、アルカリ性の液体でしょう。アルサルミンは、優れた粘膜保護薬の一つです。チーズやくず湯などを一緒に食べると、腸管運動を誘発させ、消化液を伴って下方へと誘導するので良いことです。

flower1 果汁100%のリンゴジュース
新潟県 Sさん (53歳)
  平成14年2月、胃の噴門側を3分の2切除をしました。半年ほどはつかえに苦しみました。食道との吻合部を広げてもらい楽になりましたが、今度は逆流が頻繁になりました。噴門側切除を受けた方の体験談を参考にして、いろいろ試しましたが思ったほどの効果はなく、仕方なくフオイパン(たん白分解酵素阻害薬)を服用していました。
  術後2年、リンゴを食べると逆流を抑えられると聞き、早速食べてみました。今までの方法より効果があり、リンゴが粘膜の保護や消化を助ける役目があることを初めて知りました。果汁100%のリンゴジュースでも同じ効果が得られますが、濃縮還元ジュースは効きません。逆流が起きてもリンゴジュースを飲むと数分で楽になり、ある程度コントロールできるようになりました。

flower2 ドクターから一言
  リンゴには、消化を助ける成分が含まれています。逆流液を中和する作用があり、便通も整えます。できるだけ皮も捨てずに一緒に食べると良いです。

flower1 4種類の薬で治まる
神奈川県  Aさん (76歳)
  平成15年3月、胃の上皮癌で幽門側を3分の2切除。30歳代から胃潰瘍の繰り返しで逆流に悩まされ、胃液の分泌を抑えるザンタック(制酸薬)やタケプロン(プロトンポンプ阻害薬)を常用していました。
  胃切除後はつかえ、胸やけ、逆流が治まらず、主治医と相談してガスター錠20mg(ヒスタミン受容体拮抗薬)、ガスモチン錠5mg(消化管運動促進薬)、酸化マグネシウム(制酸薬)、エクセラーゼ顆粒(消化酵素薬)の4種類を朝、夕の2回服用しました。
  そのおかげで最近は胸やけや逆流は起こらなくなり、ほっとしています。食事は刺激の強い香辛料や酒類などは避けています。

flower2 ドクターから一言
  生まれつき逆流の起きやすい体質のようですね。Aさんには、この4種類の薬が逆流防止に効果があったと思われます。食事にも気をつけているので、あとは就寝時の体位の気配りだけです。

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