アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 304号(10/'07)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つ か え
flower1 正座をしてゆっくり食べる
群馬県 Hさん (50歳)
  平成9年9月、早期胃癌のため、群馬県立がんセンターで胃を全摘しました。退院後はつかえ、便秘に悩まされました。1口食べるたびにつかえて苦しみました。目では食べたくて、食べたくて仕方がないのに、つかえたときのあの苦しみを思い出すと苦しくて涙が出る思いでした。
  つかえたときはゲップを出すと、いくらか楽になるのですが、そのゲップが出なくてつらかったのです。夫が背中をさすってくれたり、子供たちがこうすればゲップが出るとかいろいろ助けてくれました。とても嬉しかったです。そのうちに、私の場合は、正座して1口を少なめに、よく噛んで、ゆっくり食べると良いことがわかりました。うっかりして軟らかい物を噛まずに飲み込んでしまい、ダンピング症状に襲われたこともありました。食事は1人で食べます。ちょっと寂しいですが、自分のペースで食べられるからです。
  術後10年、後遺症もほとんどなくなりました。最近はソバ打ちができるほど体力もついてきました。

flower2 ドクターから一言
  納得される食べ方をつかむまでいろいろと苦心され、感服しました。つかえは最初の1口目が大切です。ひと肌の微温湯を飲んで食道と胃のつなぎ目を潤したり、納豆などの粘りのある食材で滑りやすくするのも良いです。

flower1 腹式呼吸で軽減
神奈川県 Kさん (71歳)
  平成15年3月、早期胃癌で胃の幽門側を3分の2切除。退院後はダンピング症状もあまり起こらず、食生活にも自信を持ち始め、順調に回復していました。ウォーキングを日課にしていたせいか、食欲は旺盛でした。そのため、つい食べ過ぎたり、麺類をよく噛んだつもりでも早く飲みこんでしまい、つかえを起こして苦しみました。そのときは、ゆっくりと腹式呼吸を繰り返し、ゲップや放屁を促し、胃の中の食物を流れやすくすると症状が軽減しました。
  急がずによく噛むことと、食事の量を少なめに、そして野菜を多く食べることを心がけています。

flower2 ドクターから一言
  順調な経過で何よりです。Kさんは胃が少しでも残っているので、ダンピング症状も少なかったのでしょう。つかえは食べた物が流れずに渋滞した状態でも起こります。食物を胃内にためないように、腹式呼吸をするのは良いですね。

flower1 粘りのある食品で改善 
茨城県  Tさん (60歳)
  この8月で、胃を全摘して5年が過ぎました。術後はつかえ、逆流で悩みました。胃を切除した友人から納豆、ヤマイモなどねばねばした物を少量食べてから、次の物を食べるとつかえないと聞き、早速、試しました。おかげでつかえや逆流が治まり、楽しい食事時間になりました。

flower2 ドクターから一言
  粘性、滑性のある食物を最初に食べると、胃腸の粘膜表面が滑りやすくなり、食物の通りが良いです。よく噛んでゆっくり食べることは原則なので忘れないようにしましょう。

Copyright(C) 昌平クリニック.記事の無断転載を禁じます