アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 309号(3/'08)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり お な ら
flower1 おなかを刺激
神奈川県 Uさん (71歳)
  平成16年4月、早期胃癌で胃の幽門側を半分切除しました。手術後の後遺症で最も困ったのは、ガスによるおなかの膨満感でした。ガスモチンを服用したのですが、この薬の成分が私には合わないのか、腸の中にピリピリとした痛みを感じました。ガスを排出するという市販薬もやはり、おなかの中が痛くなります。
  センノサイド(緩下剤)配合の薬を服用し、四つんばいになったり、仰向けに寝て両足を上にあげて屈曲させたり、横臥で体を左右に動かすことを繰り返したり、四苦八苦しました。だからといって、下剤を過剰に飲むと腸内にたまっている未消化物が発酵し、よけいにおなかが膨れて逆効果になります。
  便秘になると、腸に栓をしたような状態になり、咳をするだけでも腸の中といえばいいのか、腹壁といえばいいのか、とにかくおなかが痛みます。
  結局、私にとって一番良い方法は、少量の下剤の服用、朝20分の散歩とラジオ体操、鉄棒のぶら下がりや両足の屈伸運動、そして、1日に8000歩を目標にして歩くことです。ほかには、毎日、ヨーグルト100gと、納豆を3日に1回の割合で食べます。週に2〜3回、食事のときにコップ1杯のビールを飲み、食物繊維の多い食品と果物を食べます。下痢を招く過剰な脂肪類、強い香辛料や酸味の強い食物は控えます。
  おかげで、最近はおなかの膨満感が少なくなり、ガスの量も減ったようです。

flower2 ドクターから一言
  術後の経過や対策は、人それぞれに異なるものです。少量の下剤、適度の運動と食事の選択など、Uさんが実行されている工夫はすばらしいです。今後は高齢化へと向かう体に対応するための、さらなる工夫を望みます。

flower1 冬はカイロ、夏は腹巻の工夫
千葉県 Hさん (54歳)
  3年前、胃癌で胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。術後は下痢や腹痛、腹鳴に悩まされました。でも、一番の悩みは所構わず頻繁に出るガスでした。食べる量は少ないのに、どうしてこんなにもガスが出るのか不思議なくらいです。家ではまだ良いのですが、外出したときは本当に困りました。主治医に聞いても「特に対策はないので気にしないこと」といわれるだけです。
  おなかを温めると軽減するらしいと聞いたので、外出するときは、おなかを冷やさないように市販のカイロをいつも携帯しました。夏場でも冷房が効き過ぎて冷える場所があるので、腹巻をしています。また、お風呂に入ったときにはおなかを時計回りに「の」の字のマッサージをしているうちに、いつの間にかガスの量も少なくなりました。

flower2 ドクターから一言
  胃の手術後は、残胃だけでは消化作用が低下するため、腸の負担が増えます。また、冷え腹になると、腸の消化吸収作用の働きがますます低下し、腸運動も鈍くなり、ガスがたまりやすくなります。おなかを温めるのは大変良いですが、カイロで低温やけどをしないように注意をしてください。

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