アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 310号(4/'08)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 嗜 好 の 変 化
flower1 栄養指導に従う
栃木県 Yさん (67歳)
  平成16年5月、64歳のときに胃癌が発見され、胃を全摘しました。それまでは、 病気で入院したことは一度もなく、健康には自信を持っていたのでとてもショックでした。
  私は硬めに炊いたご飯と油っこい料理が大好きなので、退院後は妻が作ってくれるのを楽しみにしていました。ところが妻は、医師や栄養士さんからの栄養指導に従い、野菜を主体にした料理を毎日作るのです。「好きなものが食べたい」と子供のように駄々をこねたこともありましたが、実際には硬いご飯や油物料理はあまり食べられず、野菜物やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品が多いバランス良い食生活となりました。
  術後の後遺症も軽く安心していましたが、3ヵ月過ぎ、出張中の新幹線の車内で激しい腹痛に襲われました。すぐに病院へ運ばれましたが、腸閉塞の診断で5日間入院をしました。また、マイカーで通勤中、突然吐き気に襲われ、吐しゃ物に気をとられて自損事故を起こしました。
  それからは、食事はよく噛んでゆっくり食べる、1口残っていても、もったいないと無理に食べない、ヨーグルトは1日180g必ずとる、好きなソバ、ラーメンは少しずつよく噛んで食べるように心がけています。体重は術前70kgでしたが、術後は53kgと17kgも減りました。今は58kgまで回復しました(身長168cm)。
  5月で術後4年になります。再発もなく元気に過ごしています。

flower2 ドクターから一言
  胃の手術後は、油っこい物や牛乳がとれなくなったり、今まで食べなかった野菜物やチーズ、ヨーグルトなどが食べられるようになるなどの嗜好が変わる方が多いです。食べたいと思う物は体が要求しているので、その方の体調に合っています。Yさんの現在の体重はちょうど良いですね。

flower1 甘いもの好きに変化
東京都 Hさん (66歳)
  5年前、胃癌で胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。後遺症はひと通り経験し、現在も下痢と便秘の繰り返しです。
  手術をしてから食べ物の好みもずいぶんと変わりました。手術前は甘い物は好きでなかったので、お菓子類は食べませんでした。しかし、食事後に低血糖症状(後期ダンピング症候群)になり、主治医から「改善策としてあめなど甘い物やジュースなどをとるように」といわれました。今ではすっかり甘い物が好きになり、外出時には必ずお菓子やあめを携帯しています。
  術前はお酒が大好きで、毎日晩しゃくでビール大ビン1本や日本酒を3〜4合は軽く飲んでいたのですが、術後はあまり飲めなくなりました。今は食事のときに小さい缶ビール1本です。家族からは体に良いと言われますが少しさびしい気持ちです。

flower2 ドクターから一言
  低血糖症状から甘い物好きになったようですが、何事も過ぎたるは及ばざるが如しです。お酒もほどほどに飲むのは百薬の長です。下痢と便秘の繰り返しは過敏性腸症候群になっているためで、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)が良いでしょう。
→ 「胃を切除した人の後遺症対策」トップへ

Copyright(C) 昌平クリニック.記事の無断転載を禁じます