アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 263号(5/'04)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 低 血 糖
flower1 甘い物で対応
埼玉県 Sさん (74歳)
  平成12年3月、胃癌で胃と脾臓の全摘手術を受けました。入院中、早期、後期ダンピング症状などの後遺症についての指導を受けましたが、術後に嘔吐や下痢が続きました。
  6月中旬頃から、散歩中や就寝前に冷や汗や動悸が起こり、意識もうろうとなる症状が続いたので、血圧や体温を測りましたが特に異常なく、何が原因か分からず悩みました。
  7月、10月、12月と腸閉塞で入院しましたが、12月の入院のときに冷や汗、動悸などの症状が現れました。低血糖症状といわれて、お湯に入れたぶどう糖をいただきました。それからは、外出時には黒砂糖や黒糖飴、袋入りのぶどう糖などの甘い物を持ち歩くようにしました。
  食事は消化の良い物を少量ずつと思っていますが、食生活にも慣れ、食欲もあるのでつい食べ過ぎては苦しんでいます。今は、とにかく体力がつくように心がけています。

flower1 好物で症状が和らぐ
東京都 Oさん (66歳)
  平成6年8月、初期胃癌で胃の幽門側を5分の4を切除しました。
  術後、食事のたびにダンピング症状や低血糖症状がひどく、ガスや腹痛、膨満感、違和感で不安定な状態が続きました。薬が徐々に増え、薬嫌いの私も薬浸けになりました。体重も50kgあったのが、37kgまで痩せてしまいました(身長152cm)。
  気分転換に、好きなラーメン、コーヒー、お酒などを少量ずつとり始めると、おなかが落ち着きダンピング症状もなく、私にとって良いサプリメントと心の癒しになりました。
  10年前に職業病で頸肩腕症になり首や肩、腕に痛みを感じ、鍼治療を受けていたのですが、この鍼も、術後の体が早く元気になるための、良い治療法になったと思います。
  今日も悪天候なんのその、「人生楽しんでこそ、苦が近寄りがたし」と元気に出かけようと思っています。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  胃手術後の患者さんで、Sさんのように冷や汗をかいて、気分が悪くなる方を見かけますが、最初は低血糖症によるものだと気づかない場合が案外多いものです。
  胃切除後の低血糖症は、食事性低血糖症とも呼ばれるもののひとつで、自律神経の失調、中枢神経の機能低下による症状が起こります。すなわち、発汗、動悸、頻脈、めまい、手指のふるえ、頭痛、集中力低下、脱力感、倦怠感、眠気などが見られます。このような低血糖症状は、一般に食後2時間から4時間以内に起こることも知っておくべきです。そのタイミングに合わせて、Sさんのように甘い物を携さえておくことが必要です。
  この低血糖症は、精神的、肉体的緊張により影響されることが知られていますので、Oさんのような気分転換の食事、嗜好もたいへんに良いことです。
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