アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 311号(5/'08)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 1杯の水で治まる
山口県 Sさん (76歳)
  胃の全摘と脾臓、胆のうの切除をしてから、この5月でまる3年になります。術後間もなく、新聞にアルファ・クラブのことが掲載されていたのを見て、すぐに入会しました。会報に載っていた多くの方々の「後遺症」の経験談や対策を参考にさせてもらいました。そのおかげで、それほどきつい後遺症も起こらず過ごすことができました。
  ただ、就寝中に起こる逆流には悩まされたので、会報を参考に予防法を考えました。まず、1日の食事回数を5〜6回に分けて少量ずつとる。時間をかけてゆっくりとよく噛む。食後、少し安静にしていることなどを心がけました。今は何でも食べられるようになり、少量ですが、毎日、晩しゃくもできるようになりました。
  就寝時には、頭のほうを30度くらい高くするようにして休むと、逆流はほとんど起こりませんが、寝ているときにいつの間にか体がずり下がって水平になると逆流が起こります。そのときは、ベッドの上に座ってグラス1杯の水を飲み、20〜30分そのままの姿勢で静かにしていると治まります。
  ダンピング症状や、のどが焼けつくような逆流の苦しみは健常者には理解できないと思います。食べることの楽しみが薄らぎ、後遺症に悩まされる胃切除者も、心臓や呼吸器、腎機能障害者と同じように、体の内臓機能障害者として認めてもらいたいものだとつくづく思うこの頃です。

flower2 ドクターから一言
  逆流対策の原則を守られ、軽い症状で過ごされているのは何よりです。逆流防止への手術法も工夫されているはずですが、多少の後遺症はなくならないでしょう。消化機能障害者への提案が公認されるよう、努力いたしましょう。

flower1 粘りのある食物が良い
東京都 Kさん (57歳)
  平成14年3月、胃を全摘し、胆のうも切除しました。術後はつかえ、逆流に悩まされました。今でも食べ方を間違えると逆流が起こります。
  最初の一口目が大事で、トロミをつけたスープをゆっくりと飲み、時間をおいてから少量ずつほかの物を食べます。ゆっくり、急がず、よく噛んで、を守っています。最近はトロミをつけたスープだけではなく、トロロ芋やオクラなどネバネバした物も逆流防止になるようなので食べています。食後はリクライニングの座椅子の背を斜めに少し倒して30分ほど休みます。これを守らないと逆流が起こります。
  体力をつけるため、ウォーキングを始めました。初めは10分ほどで足が痛くなりましたが、今は1時間以上歩けるようになりました。1万歩を目標にしています。

flower2 ドクターから一言
  トロミというのは不思議な食べ物で、本来は片栗粉を使います。粘り気があるほかの食物も試されたようですが、くず湯も便利です。食事のとり方は、例えば茶道のように経験を積まれた流派の作法があるように、その人によって食べ方にも方法があるかと思われます。処方薬にはフオイパン(たん白分解酵素阻害薬)、アルサルミン(粘膜保護薬)などが良いでしょう。

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