アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 319号(1/'09)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 便 秘
flower1 アロエ汁を飲んで
神奈川県 Oさん (55歳)
  胃の幽門側を3分の2切除してから4年になります。術後、便秘の苦しみをとことん味わいました。病院の処方薬を飲むと下痢になるので、何とか他の方法はないものかと、あらゆることを試しました。モーツァルトなどの音楽を聴いたり、指もみやおなかのマッサージ、腹式呼吸など、いろいろやってみましたが、だめでした。ドクター新谷がお勧めという大腸洗浄も行いましたが、1年間続けても自然排便せず、時間とお金がかかるのでやめました。
  その頃、食べることにも慣れてきたので玄米を柔らかく炊いて食べたり、庭のキダチアロエをミキサーにかけてこした物を1日1〜2回、5〜10cc飲んでみたりするとスムーズに便が出るようになりました。ただし、飲みすぎると下痢になります。
  余談ですが、術後3ヵ月頃、便秘でおなかがパンパンに張って苦しんでいたら、看護師になりたての娘に「このおなかは私が担当している患者さんと同じだわ、大腸癌だから明日病院に行ったほうがいいわ」といわれ、ガーンと打ちのめされました。自宅で入る風呂も今日で最後かと思い、ゆっくりと入りながらおなかをマッサージしていたら、バフバフとおならが出て一件落着。新米看護師のいうことを信じた私がバカでした。

flower2 ドクターから一言
  アロエはユリ科の植物で、江戸時代には蘆薈(ろかい)といわれ「医者いらず」とも呼ばれた生薬です。どんな薬でも、その人の病態(漢方では証という)によって適量があり、Oさんのアロエ量も自ら求められたのでしょう。娘さんの親切な言葉によって得られた解決は、ほほえましい情景ですね。

flower1 下剤の飲み方に苦労 
福岡県  Kさん (61歳)
  平成16年12月、胃、胆のう、脾臓を全摘しました。術後は順調に回復し、食事も少量ですがおいしく食べられるようになり、退院しました。ところが、帰宅してから食べ物をのどにつまらせてしまい、慌てて病院へ行き、そのまま入院になりました。本当に術後の大変さを知りました。
  下痢や便秘は頻繁でしたが、抗癌剤のTS-1を服用していたので、その副作用と思い、あまり気にしませんでした。しかし、退院から1年後、腸閉塞を起こして再度、入院しました。それからは便秘予防に下剤を服用しましたが、飲み方の調節が下手なのか下痢が多くなりました。でも、飲まないと便が出ず、おなかが張って気持ちが悪くなるので大変でした。4年ほどTS-1を服用し、それからはアローゼンを飲むようになりました。だんだんと体も慣れてきたのか、おなかの調子が良くなってきました。
  今までは、あまり運動をしていませんでしたが、最近、ウォーキングを始めました。体調をもっと良くしたいと思い、頑張っています。

flower2 ドクターから一言
  下剤の量の調節は、本当に難しいものです。アローゼンはマメ科のセンナなどを配合した生薬系の腸刺激下剤で、有用な下剤の一つです。Kさんが冷え性で、おなかが張る傾向が強ければ、漢方の大健中湯がお勧めです。

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