アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 322号(4/'09)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 上半身を高くして寝る
東京都 Fさん (47歳)
  平成14年12月、スキルス癌で胃を全摘しました。術後は食べ過ぎないようにと注意をされていたので食べる量を加減していたら、あっという間に体重が減ってしまいました。そのせいか、体力が落ち、免疫力もなくなり、ちょっとした傷でもなかなか治りません。
  逆流がひどく、のどの奥が焼けつくような、痛いような、にがいような一言では説明できない不快な感じに悩まされていました。何とか逆流対策をしなければと思い、就寝前には食べない、上半身を高くして寝るなどを心がけてみましたが、いまだに軽減しません。
  夕食は消化の良い物をと思うのですが、ゆっくり食事を楽しめるのは夕食だけなので、ストレスを感じないように食べたいものを食べています。また、夕食後におなかがすいたときは、牛乳やハーブティーなどの水分をとるようにしています。
  体調にもよりますが、今日は逆流が起きそうだなと不安を感じたときは、上半身の角度をいつもより高めにして寝ます。胸やけのような前兆を感じたらすぐに起き上がり、治まるのを待って、さらに、上半身の角度を高くして、ほとんど座るような体勢で寝ています。
  一体、いつになったら逆流を克服できるのでしょうか。

flower2 ドクターから一言
  胃を全摘したのですから、アルカリ性逆流液による症状と思われます。上半身を高くするのは逆流防止の鉄則ですが、術後の噴門部括約機能の回復が遅いときもあり、なかなか克服できない人もいます。漢方の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)か、たん白分解酵素阻害薬フオイパンを試してみてください。

flower1 日にち薬が必要
長野県 Mさん (63歳)
  平成10年2月、胃を全摘しました。術後、つかえ、逆流、下痢、腹痛、膨満感など、あらゆる後遺症に悩まされました。特に夜中から朝方に起こる逆流で眠れなくなり、毎日、睡眠不足で精神的にも落ち込みました。主治医に相談しても「そのうち治るから大丈夫だよ」といわれるだけで、食事をとるのが嫌になりました。
  ある日、病院で胃を全摘した方と知り合いになりました。その方から「逆流や後遺症を治す薬はないよ、日にち薬だよ」と聞き、時間がたたなければだめだと開き直りました。
  気持ちに余裕を持ち、食事は時間をかけてゆっくり食べるようにしました。家族も一緒に食事をとるときは、私に合わせて食べてくれました。精神的に落ち着いてくると、食事もおいしくなり、いつの間にか逆流も少なくなってきました。手術をしてから11年過ぎましたが、今は逆流や後遺症もほとんどなく、あのとき教えていただいた、日にち薬の意味がやっとわかりました。

flower2 ドクターから一言
  逆流に関係する要素は大変に複雑です。たしかに、日にちも薬になりますが、それ以外にも不思議な力はあります。ご自身で取り戻せる開き直り、つまり、気の持ちようは実に重要な要素で自律神経に作用し、消化液の分泌や逆流をコントロールする力を持っているのです。

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