アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB326号(08/'09)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 胸 や け
flower1 外食を控え、自分で調理
神奈川県 Fさん (73歳)
  私は42年前、昭和42年9月、胃・十二指腸潰瘍で胃の幽門側を3分の2切除しました。術後間もない頃のことは断片的にしか思い出せませんが、当時はダンピング症状がたびたび起こり、苦しんでいました。特に食後に起こる胸やけに悩みました。
  外食した帰り道、突然、胸やけを感じて気分が悪くなり、車を止めて何度も嘔吐したこともありました。吐いた後は気分が落ち着き胸やけもなくなるのですが、何のために食事をしたのかと、つくづく後悔しました。このような症状が10年以上も続き、なんとか胸やけや嘔吐を改善できないかと考えました。食事はなるべく家でとるようにして、納豆や豆腐、ひき肉を入れた野菜炒めなど、自分で食べられる食材を選び、1日4〜5回に分けてゆっくり食べるようにしました。それからは胸やけもずいぶんと改善しました。
  しかし、どういうわけか、4〜5年前から逆流性食道炎になり、近くの医院で治療を受けています。タケプロンOD錠(消化性潰瘍治療薬)、ガスモチン(消化管運動促進薬)、エクセラーゼ錠(消化酵素薬)、フオイパン錠(蛋白分解酵素阻害薬)を処方してもらい飲んでいます。
  今でも、年に2回は胃カメラの検査を受け、薬も続けています。おかげで最近は、何でもおいしく食べられるようになりました。

flower2 ドクターから一言
  胃を切除した直後から起こる胸やけは、酸性液の逆流でしょう。自分に合った食材を調理し、少量ずつ分食することは、胸やけ防止の基本的な対策です。また、就寝時に上半身を高くして寝るような体位も大切です。逆流性食道炎にタケプロンが効いているのも酸分泌を抑制しているからでしょう。

flower1 リンゴジュースで改善
兵庫県 Sさん (65歳)
  平成14年2月、胃を全摘しました。退院間近、ひな祭りにちなんで、間食に桜もちが1個出ました。少し多いかなと思いながらも食べてしまったのですが、それからが大変でした。急に何ともいえない気持ちの悪さに襲われ、吐きそうになってトイレに駆け込みましたが治まりませんでした。後になって、これが胸やけと初めて知りました。
  それからは毎食、胸やけに悩まされ、食べることが嫌になりました。何も食べられなくなった私のことを心配した家族が、果汁100%のリンゴジュースを買ってきてくれました。毎日、少しずつ飲んでいるうちにだんだんと食欲がわき始め、食べられるようになりました。おまけに食後の胸やけも起こらなくなりました。
  後遺症対策は、人それぞれ違うとは聞いていましたが、私の場合はリンゴジュースが良かったようです。

flower2 ドクターから一言
  胃を手術した後に食べた桜もちで胸焼けを起こしたのは強烈な体験でしたね。Sさんは胃を全摘していますから、アルカリ性液の逆流と思います。リンゴジュースは水溶性の食物繊維であるペクチンを多量に含み、腸内の異常発酵を防ぎ、整腸作用を高めます。また、胆汁酸の吸収を抑えてコレステロールを減らす作用も知られています。

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