アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 266号(8/'04)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つ か え
flower1 食べ方に工夫
兵庫県 Mさん (73歳)
  平成12年7月、胃の噴門部に癌が見つかり、胃、胆のう、脾臓を全摘しました。
  退院後、食事には苦労しました。1口か2口食べるとつかえ、ひどいときにはシャックリが20〜30分ほど続き、ついには嘔吐を繰り返す毎日でした。
  苦しみながらいろいろと試した結果、私流に次の方法を見つけました。
  (1)食事は5〜6回の分食にする。間食はヨーグルト、チーズ、牛乳、バナナ、カステラなど消化の良い物をとる (2)食前に梅肉小匙1杯を口に含み唾液腺を刺激する (3)酢の物を一品とり入れる (4)大根おろしにシラス干しを入れる。特に固めのシラス干しにすると、自然とよく噛み、一度に口に入れる量も少なくなるので、飲み込む時間を調整できるなどの要領も分かってきました。
  まだ、完全ではありませんが、つかえは少しずつ軽くなってきています。

flower1 つかえのために32kgに…
神奈川県 Kさん (67歳)
  平成11年5月、早期胃癌と診断され、胃の幽門側4分の3を切除しました。前年の秋に受けた内視鏡検査では、異常がなかったのでとてもショックを受けました。幸い抗癌剤治療はなく、安心しました。
  術後、つかえ、腹鳴り、下痢、ガス、倦怠感などの後遺症に苦しみました。
  食事のたびに、1口食べてはつかえ、おなかも痛くなるので食欲もなくなり、42kgあった体重は32kgになってしまいました(身長153cm)。夜食に食べたシュークリームがつかえ、逆流を起こして苦しんだこともありました。このときばかりは、就寝前に食べてはいけないと思い知りました。「病気が治っても、元の体に戻ったわけではないよ」との主治医の言葉は耳に焼きつきました。
  術後5年過ぎて後遺症も軽くなりましたが、初心を忘れず食事は少しずつよく噛んで、ゆっくりと食べることを心がけております。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  つかえの対策の基本は、お2人の貴重な体験のように、よく噛んで、ゆっくり食べることが第一です。
  その上で、Mさんのように、オーダーメイドのすばらしい工夫を自分なりに発見して加えていくのが良いでしょう。
  もう一つ忘れていけないのは、食事の温度です。熱すぎたり、冷たい物は、胃や腸の壁を刺激して緊張させ、つかえをひどくします。良い食べ物の工夫と同様に、避けたい食べ物も知っておくことが大切です。わかめ、のり、ほうれん草の葉など狭い腸の壁にペタリと張りつく物は、つかえを起こしやすいからです。
  Mさんは食道と腸をつなぎ、Kさんは残胃と腸をつないだと思いますが、引きつれなどで狭くなったのでしょう。つかえは年月とともに軽くなっていくものですが、定期検査は毎年忘れずに受けてください。

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