アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 331号(1/'10)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹 鳴
flower1 散歩を心がけ、おなかをさする
山形県 Sさん (68歳)
  平成15年11月、胃癌で胃と胆のう、脾臓を全摘し、ルーワイ法で再建しました。手術後、現在まで、抗癌剤の治療を受けています。術後は、特にひどい後遺症はなかったのですが、おならや腹鳴には3年ほど悩まされました。
  癌と告知されたのは、第2の職場に勤めて2年半を過ぎたときでした。愕然としました。しかし、術後は周りの方々のご好意により、66歳まで勤めることができ、規則正しい生活が送れたのが良かったようです。
  そのとき勤務していた会社は、110社が加盟する協同組合でした。毎月、定期会議が開かれていましたが、組合員である社長さんの中には、胃癌になり手術を受けられた方が意外に多かったのです。幸い、その方々より励ましや教えを数多くいただきました。そんなことで、会議中も、予告なしに突然起こる腹鳴、おならは、オープンにさせていただきました。
  とにかく散歩を心がけ、1日500歩は歩くようにし、朝晩、ベッドの中で、1日100回以上はおなかをさするようにしました。その成果か、今は腹鳴もほとんど起こらなくなりました。
  昨年の11月で術後満6年を迎えることができました。私の住む山形は、この季節はとても寒いですが、体力増強を心がけてできるだけ身体を動かすようにしています。

flower2 ドクターから一言
  散歩は腸運動を高める有力な方法です。散歩をすることにより全身から腹部の血流が良くなり、特に腸運動が盛んになるのです。腹部への摩擦も同じような効果が期待されます。あとは、腸内でガスをあまり発生させないように、食べ物の種類を選び、よく噛んで消化を助けましょう。

flower1 腹巻きをして、ゆっくり食べる
石川県 Iさん (59歳)
  平成14年2月、胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。術後は吐き気、つかえ、腹痛、下痢、膨満感、ガスなどに苦しみました。
  特に腹鳴は、突然大きな音でおなかが鳴りだすので、周囲にいる方々はびっくりしてしまいます。あまりにもひどいので、外出もできなくなりました。
  ある日、術後健診で病院に行ったとき、同じ胃癌手術をされた方と隣同士になりました。いろいろな悩みを相談しているうちに、腹鳴にはおなかを温めることと、食事はゆっくりよく噛んで食べることが良いと教えてもらいました。帰宅後、すぐに腹巻をし、食事も1口30回以上は噛みながら時間をかけて食べるようにしました。いつの間にか、腹鳴の回数が少なくなり、最近はほとんど起こりません。

flower2 ドクターから一言
  術後に突然起こる大きな腹鳴は、さぞかしつらかったことでしょう。腸内のガス発生を減らし、ゆっくりとガスが移動すれば、腹鳴はなくなるはずですが、これが、なかなか難しいのです。腹巻きは腹部を保温し、血流を良くし、腸運動を高めてくれます。半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は、漢方の中でも腹鳴改善に良い処方薬の一つです。

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