アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 333号(3/'10)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 水とリンゴで痛み軽減
青森県 Aさん (63歳)
  平成17年7月、早期胃癌で胃の幽門側を3分の2切除し、胆石もあったので胆のうも切除し、ビルロートI法で再建しました。術後はダンピング症候群や逆流、便秘がひどく、とても悩みました。食事がとれず、栄養剤の点滴注射を受けに通院していました。
  最近は、やっと食べ方がわかるようになってきました。毎日、主人の弁当を作りながら少しずつ口に入れて、胃を慣らすようにしながら食べています。ほかにも、乳酸菌飲料や血糖値をおだやかに上げるというお茶などを飲んでいます。
  買い物に行くときは、便秘を解消するために、なるべく歩くようにしています。便秘も逆流を起こす一因であると思っていますから。
  夕食は早い時間に終わらせて、逆流を起こしそうな油物や甘い物は控えています。それでも逆流が起きたときは、食道を洗うように水を飲みます。最後にリンゴをすって飲むと、のどの痛みが和らぎます。
  術後4年たった今は、ダンピング症候群、便秘、逆流も少なくなりました。今年は腸内の状態が良くなったのか、3個あった大腸ポリープが消えていました。血液検査もすべて良くなり、喜んでおります。術後41kgまで減った体重も、今は、4kgほど増えました。

flower2 ドクターから一言
  胃部切除後の逆流ですから、酸性液の逆流と思います。水を飲むことは、逆流した液を薄めるので、大変効果的です。リンゴをすって飲むと有機酸、糖の清涼作用で痛みが和らぐのでしょう。Aさんに適している、今の生活リズムを続けてください。


flower1 食べすぎで逆流
福岡県 Kさん (58歳)
  平成17年6月、早期胃癌で胃を全摘し、胆のうも切除しました。術後は食べることに苦労しました。ひと口食べただけでもつかえ、胸やけが起こり、また、ダンピング症候群や腹痛、下痢に苦しみました。病院の栄養指導で、トロミがついた物を食べると良いのではと勧められたので、食べ始めに片栗粉でトロミをつけたスープを飲みました。少量ずつ、ゆっくりと食べるようになってからはつかえも少なくなり、食べられる量も多くなり喜んでいました。
  ところが、今度は夜中の逆流に悩まされるようになりました。就寝中に突然、苦い液状のものが口まで込み上げてきて、慌てて起きます。うがいをしてものどがひりひりして眠れません。先生に相談すると「食べる量が多すぎると消化液の分泌が多くなり、逆流を起こすこともあります」といわれました。
  減った体重を元に戻そうと量を多く食べていたのですが、それからは少なめに食べるようにしました。

flower2 ドクターから一言
  全摘後のつかえにはトロミが有効ですが、つかえがとれて逆流が起こったのですね。逆流を抑える噴門の機能が手術によって失われているので食べ方には気をつけましょう。少量をゆっくり食べることと、寝るときの体位は上半身を高くすることを心がけてください。逆流は減ってくるはずです。

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