アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 337号(7/'10)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 低 血 糖
flower1 自衛しながら体を慣らす
東京都 Jさん (61歳)
  平成16年12月、55歳のときに、人間ドックで早期胃癌が発見されました。胃の幽門側5分の4を切除し、ビルロートI法で再建しました。
  術後、癌の心配は大きく減りましたが、後遺症のことは全く知らず、疲れ、脱力感、めまい、冷や汗、眠気などに直面し、戸惑いました。ダンピング、低血糖などの言葉を理解するまで苦労しました。しかし、何とか対応していかなければ職場復帰はもとより、生活していけません。
  まず、食事はゆっくりと30分以上かけて食べるようにしましたが、時間がとれない勤務中の昼食は、特に注意しました。消化の良い物、油分の少ない物、経験則からトラブルの少ない料理を選んで食べるようにしました。そして、決して短時間内に頑張ってたくさん食べようとせず、ゆっくりペースを守りました。
  また、低血糖症状への緊急対策として、いつもアメやキャラメルなどの甘い物を持ち歩き、冷や汗が出てきたなど異常を感じたときにすぐ食べます。若干の満腹感も得られます。ただし、甘い物を多くとることによる糖尿病も心配で、摂取過多にならないよう注意しています。
  個人差はありますが、ダンピング、低血糖症状は胃切除者の宿命といえます。胃が元のように戻らない環境の中で十分に自衛しながら体を慣らしていくしかないのでしょう。

flower2 ドクターから一言
  胃切除後の低血糖は、反応性または食事性低血糖ともいわれるように、自律神経や中枢神経の機能低下による病態です。宿命ですが、上手にコントロールすることで、ほとんど障害のない方もおられます。甘い物のとり過ぎに注意をしながらの自衛策は、きっと体内の安定をもたらすはずです。

flower1 甘い物で楽になる
福岡県 Kさん (90歳)
  平成8年11月、早期胃癌で胃の噴門側を切除しました。低血糖という言葉や症状は胃切除後しばらくたってから覚えました。もちろん、手術前に医師からの説明は全然なかったので途方にくれました。病院で低血糖の症状が出たとき、主治医から「何か甘い物を食べなさい」といわれてコップ1杯の甘水をもらい、その後、楽になったことは覚えています。
  退院後、回転ずしで握りを2カンばかり食べたところ、全身の脱力感や疲労感が起こりました。小生の場合は、最初は目がうつろになり、チラチラして不安でした。低血糖の特徴として、昼食後に眠気が生じます。夕食後には熟睡したこともありました。ほかにも、めまい、ふらつき、物忘れ、目のかすみが起こり、特に甘い物が無性に食べたくなります。低血糖対策は、私が毎月購読している『人間医学』(人間医学社発刊)という小冊子の平成17年2月1日号、21年1月1日号に詳記してあり、参考になりました。

flower2 ドクターから一言
  胃切除後の低血糖について説明のなかったことは遺憾ですが、だいたいは食後2〜4時間くらいに起こるものです。いろんな体験の中には、必ず、真理がありますので、胃切除後の高齢者のお一人として、何かとご教示ください。

→ 「胃を切除した人の後遺症対策」トップへ

Copyright(C) 昌平クリニック. 記事の無断転載を禁じます