アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB341号(11/'10)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 胸 や け
flower1 食事量を調整、楽しく過ごす
千葉県 Nさん (66歳)
  60歳の誕生日を目の前にした、平成16年7月、癌の宣告を受け、胃の全摘手術をしました。今年で6年目を迎えましたが、これまでの長いトンネルのような日々は、決して平穏ではありませんでした。
  退院した日は夏の暑い最中、心の中では、二度とわが家に戻れない、と思っていました。1ヵ月ぶりに戻れたときのうれしさは、今でも昨日のことのように思い出します。
  担当の先生や、管理栄養士さんから、「食事はゆっくりとよく噛んで、1日5〜6回に分けて、腹7〜8分目を目安に食べてくださいね」との指導を受けました。でも、食べ物を見ると、目が欲しくなります。そして食べても満足感が得られないので、つい少し食べ過ぎて胸やけや逆流を起こしてしまうということを繰り返していました。
  会報で皆様の体験談を読み、自分なりの方法を編み出しました。食べてすぐに横にならない、動かない。おなかが空き過ぎないようにする。油物や揚げ物はなるべく食べない。塩辛い物や硬い物などは注意する。外出するときは、水、アメを持参する。疲れ過ぎないようにする。そして一番大切なのは、便秘にならないように注意することです。
  就寝時は、枕元に水を置いて、上体を少し高くします。朝はニンジンジュースや酵素を飲み、自家製ヨーグルトを食べます。食事の量を調整し、ストレスをためず、楽しく一日を過ごすようにしました。
  胸やけや逆流も1年目より2年目と、月日がたつにつれ、だんだんと軽減されてきました。家族や周りの皆様に感謝し、これからの日々、楽しく過ごしたいと思います。

flower2 ドクターから一言
  胸やけは、消化液の逆流によって起こりますので、食事量を調整することが対応の鉄則ですね。夜中にも起こりやすいので、上半身を高くして休むのもコツの一つです。食べ物の種類も胸やけと深く関係しています。いろんな心がけを実行されているNさんの毎日は楽しそうに感じます。

flower1 残すことも必要
北海道 Kさん (58歳)
  平成14年3月、胃癌で胃を全摘しました。術後、食事にはとても苦労しました。ほんのひと口でも多かったり、よく噛まずに飲み込んでしまったりすると胸やけが起こります。気持ちが悪くなり、身動きができません。とにかく、上体を斜めにして座り、じっと安静にし、時間が過ぎるのを待つだけでした。
  夜中に起こると眠れなくなるので、夕食の量はとても気を使いました。しかし、何回も胸やけを起こしていると、1回に食べて良い量もわかるようになります。少し残すともったいないと思うのですが、体のためにも無理しないようにしました。

flower2 ドクターから一言
  食事を残すのは、もったいないと思うことと、作ってくれた人に申し訳ないとの罪悪感があるものです。しかし、後遺症軽減のためには、自分の適量を守ることが必須です。それでも胸やけが起こったときは半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)か安中散(あんちゅうさん)を服用すると軽くなります。

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