アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 342号(12/'10)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 便 秘
flower1 下剤と浣腸を併用
北海道 Hさん (73歳)
  平成17年7月、胃癌で胃を全摘した。幸い他への転移はなく、抗癌剤治療も受けなくて済んだ。だが、後遺症は、会報で知ったほとんどの症状を体験した。
  術後5年経過し、対処方法はそれなりに会得したと思っているが、まだ失敗も多く、自分の体験と皆様の情報を比較し、「やっぱりね」と納得させられている。日常生活は時間的にゆとりがあるので、食事には十分時間をかけ、苦しくなればひと休みして食べている。最近は何でも食べるが、量は少ない。それでもダンピング症状は毎食後起こり、1時間ほど横になっている。したがって外食するときはつらい。
  若い頃から便秘気味で、牛乳やヨーグルトなどの乳製品や野菜、果物は十分とるように心がけてきたが、術後はそれだけでは治まらない。医師から、「下痢は慢性化するが、腐敗物を腸に溜めるより使用したほうが良いでしょう」とプルゼニド錠を勧められ、毎日2錠服用している。それでも便秘することがあり、月に4回程度は浣腸を用いている。
  しかし、胃のないのもまんざらではなく、良い面もある。術前68kgあった体重は現在55kgに減り(身長160cm)、以前、若干高かった血圧は正常値になった。胃の検査を受けたのは、高血圧の相談にクリニックに出向いたのがきっかけで、胃癌が早期に見つかった点ではうれしい。

flower2 ドクターから一言
  何事も体験の中に真理ありで、胃のないことの悟りを持たれた心境はすばらしいことです。プルゼニドはセンナ葉由来の大腸刺激性下剤ですが、多少の習慣性もあるようです。月に4回程度の浣腸の代わりに、漢方の大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、潤腸湯(じゅんちょうとう)などを試してみても良いと思います。

flower1 プルーンで軽減
長野県  Nさん (63歳)
  平成14年2月、胃の幽門側を4分の3切除しました。術後は食べるとすぐ下痢になり、食卓とトイレを往復していました。しかし、3年ほど過ぎると今度は便秘気味になりました。3日も便が出ないと大変です。硬いコロコロした便がやっと少し出るだけなので、おなかが張り、気持ちが悪くなり、食欲も出ません。
  下剤のラキソベロンを処方してもらい、排便の調整をしましたが、飲み忘れるときもあり、ほかにも方法はないかといろいろと探しました。
  会報でプルーンが便秘改善の効果があると載っていたので、早速、プルーンを1日15〜20粒を目安にとりました。最初の1〜2ヵ月はあまり効果がありませんでしたが、少しずつ出る量が増えてきたようで、下剤を毎日飲まなくても良くなってきました。また、できるだけ運動をと思い、早足で散歩をしています。

flower2 ドクターから一言
  プルーンはセイヨウスモモの一種で、ミラクルフルーツとも呼ばれるコーカサス、カスピ海地方原産の果物です。含まれているペクチンの緩下作用によるもので、いろんな健康食品に加工されています。体質、体調によって同じ薬でも効果が異なることを認識することです。  

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