アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 343号(1/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹 痛
flower1 歌で腹式呼吸、腹痛も軽減
埼玉県 Oさん (72歳)

  5年と少し前に、食道の一部と胃を全部切除しました。その後2年目に心筋梗塞を患い、しばらく人工心臓のお世話になりましたが、4週間で退院しました。心筋梗塞の発病前までは、抗癌剤の投薬治療を続けていましたが、これを機に循環器系の治療に専念するため、抗癌剤は中断することになりました。
  この頃から、食事をしても満腹感をあまり感じなくなったこともあり、食事量が非常に多くなりました。そして、いつも腹痛や腹部の重苦しさに耐えていましたが、30分も横になって我慢していれば楽になっていたので、病的な腹痛ではないから…と自分にいい聞かせて、当たり前と思うようにしていました。おなかを摩るように触るのも気分的に効果があり、要は気分の持ちようだと思うようにしていました。
  最近は食事量も少なくなりましたが、排便や、歌の練習も腹部の重苦しさや痛みを軽くするようです。
  排便時にはトイレの温水洗浄便座の水圧を利用して肛門に刺激を与え、根こそぎ出してしまうことが良いようです。排便が楽になるようにと便を少し軟らかくする整腸剤も服用しています。また、初物などを食べると、激しい下痢になることがありますが、このときは、下痢はチャンスと捉え、全部出してしまいます。その後はすぐに、普通の食事がとれます。
  歌は、腹式呼吸というのでしょうか、おなかから声を発するので、私にはとても大切な対処法です。

flower2 ドクターから一言
  病気を重ねながらの腹痛との闘いは、さぞかし大変だったことでしょう。腹痛の原因は多様ですが、順調な便通は、腹痛を取り除く一つの方法です。また、歌を歌うことは、腹式呼吸と同様に血流を整え、気力を養って、心身の活性化を図る優れた方法です。


flower1 術後5年、いまだに改善せず
大阪府 Yさん (70歳)
  平成17年11月、胃の幽門側3分の2を切除しました。術後は、食後すぐに腹痛を伴う下痢が起こり、いつも悩まされました。あれから5年近くなりますが、今も食後30分過ぎに起こる腹痛と下痢は改善されません。そのために、外出したときは、帰宅するまで食べ物を一切とらないように心がけています。
  対策として、消化酵素薬エクセラーゼ、腸運動抑制薬ロペミン、過敏性腸症候群治療薬トランコロンとイリボーなどを服用しています。しかし、どの薬が下痢に一番効果があるのか判断できず、いまだに試行錯誤の状態が続いています。また、あまり薬が効き過ぎて、逆に便秘にならないかと心配で、悩んでいるところです。

flower2 ドクターから一言
  食後30分の腹痛、下痢が5年近くも続いているとのこと。あまりにも長期間続いていますので、一度、腸の動きを確かめるX線追求検査をお勧めします。何か原因があるのかもしれません。また、1つの薬を1週間ずつ服用するなどして、別々に薬の反応を確かめてみてください。その際、漢方の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)も加えてみてください。

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