アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 344号(2/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり お な ら
flower1 大建中湯で軽減
東京都 Zさん (80歳)
  私は平成17年11月、腹腔鏡下手術によって胃の中央部を3分の2、切除しました。さらに2年後、残胃の噴門部に近い場所に小さな癌が見つかり、今度は内視鏡的粘膜切除術を受けました。
  私が入院した病院では、退院直前に管理栄養士さんから、退院後の食事についての説明がありました。術後、しばらくは避けたほうが良い食品や、反対に食べても良い食品を使った簡単なレシピ等が紹介されました。さらに食事をするときの注意点などの説明があり、これはたいへん役に立ちました。おかげで今は、何でも食べられるようになりました。
  術後、食後の胸やけやつかえ、便通異常などの後遺症が多少ありましたが、特に2〜3年は、おなかにガスが溜まることがしばしばあり、おなかが張って苦しい思いをしました。かかりつけの診療所の先生に相談したところ、漢方薬の大建中湯(ダイケンチュウトウ)を処方してくれました。服用しているうちに症状はかなり軽減し、効果があったと思っています。今は大建中湯は服用していませんが、たまにガスが溜まったときは市販薬ガスピタンのお世話になっています。
  また、退院時からヨーグルトを始め、乳酸菌飲料や乳酸菌製剤などを常用していますが、これらもガス発生の防止に役立っているのかもしれません。その後、癌の再発もなく、今日まで無事に過ごしています。

flower2 ドクターから一言
  術後の食品、食事について病院側から説明を受けたことや、退院後の乳酸菌類の摂取は後遺症を軽減するのに役立ったのだと思います。大建中湯は、人参(ニンジン)、乾姜(カンキョウ)、山椒(サンショウ)、水飴(ミズアメ)からなる漢方薬で、腹の皮がもくもく動くという腹満の症状に良く効く処方薬です。Zさん自身の症状に合ったおならへの対処法が良かったのでしょう。

flower1 ゴルフの日はパン食
茨城県 Uさん (65歳)
  平成14年2月、胃の幽門側3分の2を切除しました。術後の後遺症は軽かったのですが、おならの出放題には悩みました。家の中では所構わず状態で、家族はあきらめて何もいいませんが、よその人の前で放屁するのは気が引けます。最近は以前に比べて回数や臭いも少なくなりましたが、知人とゴルフに出かけるときが困ります。あの静かな雰囲気の中で放屁するわけにもいかず、我慢をしていておなかが痛くなったことも何度かありました。
  その頃、会報で「ゴルフに行く日はパン食にしたら、おならが出なかった」という体験談を読み、早速試しました。全く出なかったわけではありませんが、確かにおならは少なくなりました。それからは、ゴルフに行くときの朝昼はパン食です。

flower2 ドクターから一言
  ゴルフの日のパン食は、貴重な体験ですね。パンの原料である小麦は、75%のでんぷんと10%のたん白質、12%の水分などを含みます。たん白質の中のアルブミンは、唾液、膵液に含まれるアミラーゼの働きをゆるやかにし、でんぷんの消化吸収を遅らせる作用があるので、ガスの発生がゆるやかになると考えられます。

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