アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 346号(4/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。
ひまわり や せ
flower1 理想体重に戻りました
山梨県 Y さん (70歳)
  平成18年6月、胃癌で胃を全摘しました。初めはつかえや胸やけ、下痢に悩みました。自ら前向きに「体の中では、突然に胃を失った変化に他の消化器が驚き、とまどっているのだ。この程度の後遺症で助かった」と思えるようになったのは、アルファ・クラブの皆様の体験記を読んでからでした。
  食事は術前から好きだったタンメン、ビールなど、何でもとるようにしました。ただし、旅行やゴルフなど外出の予定があるときは、消化が良いとされるぬめりのある物をとりました。
  何でも食べられるような、丈夫な歯を持った子に育ててくれた両親には感謝しています。
  術前は体重が65kgありましたが、術後は55kgに減少したまま、4年半以上横ばい状態です。たしかに10kgの体重減は、体力、気力が衰える要因の一つと思われます。そんなある日、古い荷物を整理していたら、20歳過ぎの私が就職時に使った身体検査証明書が見つかりました。懐かしく見ていると、体重がなんと56kgと記載されているではありませんか。50年近くの歳月をかけて理想体重に戻ったのです。感謝、感謝…。

flower2 ドクターから一言
 歯は、80歳で20本以上あることが望ましいといわれていますが、ご自身の丈夫な歯で何でも食べられるのは、たいへんにすばらしいことです。体重は標準体重を保ち、変化のない横ばい状態が理想です。Yさんが今後も20歳代の体重を維持されますよう、お祈りいたします。

flower1 栄養剤で体重増加を図る
神奈川県 Oさん (85歳)
  平成15年7月、胃癌のため胃の幽門側4分の3を切除し、空腸間置法で再建しました。退院後、抗癌剤の処方はありませんでした。消化薬と整腸薬を服用しています。
  1日の食事量は術前の60%に減少したため、間食に牛乳、バナナ、カロリーメイトなどを補っています。
  術後の1年間は、食後に時々、鼻水や吐き気などの不快感がありましたが、2年目以降は時々便秘になる以外、食後の不快感はほとんどなくなりました。ただ、思わしくないのは体重の回復です。術前の体重は60kg(身長161cm)でしたが、術後2年目には48kg(身長159cm)に減りました(BMI は19)。
  3年目にようやく体調が良くなり食欲が増してきました。ウォーキングとストレッチ体操を行い、今は52kgまで増えた体重を維持しています。また、健康のためと思い、マルチビタミンやマルチミネラルなどのサプリメントもとっています。今後はさらに体重増加を目指し(目標BMI 22)、栄養価の高い食べ物をとるとともに、各種酵素やアミノ酸類も加えていくつもりです。

flower2 ドクターから一言
  一般的にやせの原因としては、(1)食事摂取量の減少、(2)食事の消化吸収障害、(3)栄養消費量の増大の3つが主です。胃手術後では、食事摂取量の減少は当然ですが、Oさんはウォーキングなどで体重を維持されており、すばらしいことです。なお体重とともに定期的な血液検査も大切です。

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