アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 348号(6/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 逆 流
flower1 5回食でゆっくり食べる
志賀県 Tさん (82歳)
  平成17年5月、京都府立医科大学付属病院で胃を全摘してから6年間、毎日、体調の変化や、食事の内容をノートに記録してきました。
  それによると、術後1年は逆流に悩まされていたことがよく分かります。「苦い汁が上がってきた。吐き気、戻し感あるも何事もなし。食べ過ぎか」「昼、3時過ぎ逆流あり」「食後おなかが痛い。ゴロゴロ鳴る」「夜10時半、苦い汁が上がってくるようで、起きて水、薬を飲む」「朝、苦い汁、のどの焼けるような感じ」といった記録が散見されます。
  しかし、2年目以降はこういった記述は少しずつ減っていきました。1日5回食にし、ゆっくりとよく噛むことを心がけたせいでしょうか。
  ところが4年目、もう慣れてきたかなと思っていた矢先、激しい腹痛に襲われ、イレウスと診断されて入院するはめになりました。
  以来、それまで続けてきたウォーキングに加え、アルファ・クラブから得た知恵でヤクルト400を飲んだり、おなかのマッサージをしたりと手段を尽くしました。術前は60kgあった体重も45kg(身長159cm)に減りましたが、メタボになる心配もなく、ちょうど良いと思っています。

flower2 ドクターから一言
  術後の体調と食事の記録は、逆流性食道炎の症状や苦痛をよく理解できますので、たいへんに貴重です。4年目にイレウスが起きたのは、何か体調が変化し食事のバランスが崩れたためでしょう。体重は増加も減少もないのが、その人に適した状態です。

flower1 おなかの信号に向き合い
長野県 Mさん (74歳)
  平成3年と同16年に胃癌の手術を受けました。2回目には全摘となり逆流との付き合いが始まりました。
  現在は、逆流との付き合い方もわかり、落ち着いて対応はしていますが、つらさは変わりません。就寝中「あやしいぞ」と思い目覚めるのですが、もう止められません。鮮明なレモン色の液体が、なぜこんな苦しみを運んでくるのかと、夢中で口を拭い、治まるのを待ちます。
  枕を高くしたり、食事時間を守るなど、できることは実践していますが逆流は起こり、暗中模索が続いています。主治医から胃のない体の中を図解していただき、構造は理解はしています。しかし、診察のたびに逆流のつらさを訴えずにはいられません。逆流のない朝の目覚めは宝のようです。「24日間逆流なし」が最高の記録です。
  こんな体調ながら四国八十八ヵ所巡礼を済ませ、また、小笠原諸島まで25時間の船旅をし、豊かな自然に触れることができました。体全体の調整に鍼灸治療を週1回続けているのも、大きなプラスになっています。

flower2 ドクターから一言
  胃全摘後7年、四国八十八ヵ所の巡礼や船旅をされたのは、本当にすばらしいです。同じ病後の方への励ましになるでしょう。鍼灸治療も役立っていると思います。逆流防止の1つとして、枕の高さだけでなく、上半身全体を斜めにやや高くしてください。気になるときは、夕食前に茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)を一服飲むのも良いことです。

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