アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 349号(7/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 貧 血
flower1 食事には神経質にならず
東京都 Tさん (48歳)
  私が、胃腫瘍と知ったのは31歳のとき、会社の成人病健診でした。
  術後、5〜6年が過ぎて、通院も検査のみとなり、もう安心かなと思い始めた頃、つめが割れ、白髪が急に増え始めました。「年齢かしら」とそれほど気にはしていませんでしたが、会社の健診でひどい貧血状態であることがわかりました。
  貧血の症状は徐々に進むので、身体が知らず知らずのうちに対応してしまい、自ら気づくことは少ないそうです。鉄剤のフェルムを処方され、現在も飲み続けています。定期的に血液検査を受け、ヘモグロビン値が上がると、服薬は少しお休みします。
  貧血を改善するために、鉄分を食事からとっても、胃から分泌される胃酸と反応しなければ小腸から吸収されにくいと聞かされました。私は、貧血改善には、薬の力を借りることと定期的な血液検査が大事だと思っています。
  日常生活においては、貧血だからと、食事に対してあまり神経質になることはありません。バランスの良い食事を心がけ、なるべく歩くようにして、楽しく毎日を過ごすように努めています。

flower2 ドクターから一言
  世界保健機関(WHO)の憲章では、健康とは身体的のみならず、精神的・社会的にも良好な状態にあることと定義しています。つめ割れ、白髪などの経験から、小さな変化にも注意をしつつ、定期検査と適切な対応を今までどおり実践してください。

flower1 鉄剤の服用で普通の生活が
大阪府 Nさん (59歳)
  平成15年の夏、51歳のときに会社の定期健診がきっかけで、胃癌が見つかり、胃を全摘しました。術後は逆流性食道炎や後期ダンピング症状をひと通り経験し、次第に食べ方を学び、折り合いをつけてきました。
  しかし、5年目に、とうとう貧血という指摘を会社の定期健診で受けました。私は今まで貧血と言うものを経験したことはなく、当時、階段を上がるのにもたいへん疲れるようになっていたのが、貧血のせいだったとは思いもよりませんでした。
  とにかく原因がわかり、3ヵ月ごとに血液検査をしていただいている主治医に相談して、鉄剤のフェルムと末梢神経障害治療薬のメチクールを処方してもらいました。服用を始めてからは徐々に疲労も取れ、これが普通の状態だったのかと感動しております。
  定期的に血液検査を行い、鉄分が増えすぎるとしばらく薬の服用をやめ、減ってくると服用を再開するといった具合で普通の生活を送れるようになり、安心しております。
  会報で、胃の喪失による貧血について何度か読んでいたのも役立ちました。

flower2 ドクターから一言
  貧血になると、全身への酸素の供給が悪くなり、どうしても疲労を覚えるものです。疲れるということには、過労だけではなく、ほかにも身体の異常が潜んでいることがあるものです。胃全摘術後という体の変化を見守る定期的な検査は、一病息災といわれるようにたいへん役立つことでしょう。

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