アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 350号(8/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり食 欲 不 振
flower1 効率良く身体を動かす
群馬県 Mさん (67歳)
  平成17年6月、胃癌で胃を全摘しました。手術は成功し、比較的順調に経過してきました。
  ただ、術前62kgあった体重は、52kgまで減り、さらに体力が減退したことはショックでした。体力を回復させるためには、まず食べる量を増やすことが大切と考えました。しかし、食欲もなく、無理に食べようとしても食べられず、術後の2年間は、食欲不振と食事量の減少との闘いでした。心配した妻が、栄養価とバランスに、あれこれと絶えず気を使って調理の工夫をしてくれました。おかげで、6年経過した今、癌の転移もなく、問題となる後遺症にも苦しめられずに済んでいるものと確信しています。
  私が今でも続けていることの一端が、皆さまの食欲不振対策の一助になればと思い紹介します。
  まず、ご飯は黒豆入りのすし飯です。すし飯にすると、酢の効果でさっぱりとして口当たりが良くなり食べやすいようです。そのほかに、毎日、牛乳かヨーグルト、納豆、レバー、卵は欠かしません。これらの食品は、私にとって常備食といっても過言ではありません。
  また、せっかく工夫された食べ物でも、効率良く消化吸収させるためには、体をよく動かさなくてはいけません。その対策として、朝はラジオ体操とスクワットを行い、夕方には50分の散歩を行っています。

flower2 ドクターから一言
  食欲不振を少しでも解消するための栄養食品を、よく選んでとり入れましたね。黒豆の黒い色はアントシアニン系色素で、動脈硬化、喘息などの予防にも良く、黒豆酢は痛風の特効薬にもなるといわれています。牛乳、納豆、レバー、卵なども加わり、参考書並ですね。一品にこだわらず、バランスの良い配合がすばらしいと思います。

flower1 好きな物を食べる
千葉県 Nさん (63歳)
  平成14年1月、胃を全摘しました。回復には栄養をとることが大事とわかってはいるのですが、肝心の食欲がわきません。だんだんと体力もなくなり、やせていくばかりの自分の体を見ては落ち込みました。
  手術して半年、スーパーに買い物に行くと枝豆がありました。私は枝豆が大好きなのですが、今は胃のない体、この状態で食べられるのかと不安でした。しかし、好きな物を食べたいという気持ちには逆らえず、思い切って買いました。枝豆をゆで、小さめの器に盛ってゆっくり食べましたが、食後に腹痛も下痢も起こりません。それまでは何を食べても腹痛や下痢に悩まされていたのに、好きな物は体が受けつけるのですね。それからは、好きな物、食べたい物を優先し、いろいろ試しました。少しずつ食欲が出始め、今は脂っこい物以外は何でも食べられます。

flower2 ドクターから一言
  枝豆は大豆の若サヤで、たん白質が多く、鶏卵にも匹敵するくらいの量が含まれています。さらに、脂肪のほか、ビタミンB1、C、カロテン、カリウムなども含まれ、夏バテから身体を守る野菜の一つです。好きな物は、その人の体に合っている薬なのですね。

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