アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 268号(10/'04)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり胸 や け
flower1 サンメールを続けて
京都市 Mさん (71歳)
  平成12年3月、進行性胃癌のため、胃、脾臓、胆のうと周りのリンパ腺の摘出手術を受けました。
  退院後は2週間ごとに抗癌剤の点滴治療が始まりました。点滴の後は気持ちが悪くなり、横になっている時間が長くなりました。それが原因かどうか分かりませんが、つかえ、胸やけがひどくなり、2ヵ月後には、水を飲むだけでも栗のイガを飲み込んだような激しい痛みが食道付近に起きたため再入院となりました。幸い10日ほどで痛みは治りました。その後の対策は、食後2時間は寝ない、枕を高くして休むなどの工夫をし、また逆流性食道炎の予防薬で、東亜薬品(株)の「サンメール」を処方してもらい、毎食後に飲み続けました。おかげで、4年後には胸やけは治まりましたが、薬は予防のため現在でも1日1回就寝前に飲んでいます。
  今は、毎日元気で動き回り、地域の福祉活動などに参加しています。

flower1 胸やけ軽減・克服10ヵ条
茨城県 Tさん (52歳)
  平成14年3月、胃上部の進行癌で、胃、脾臓を全摘しました。
  術後は胸やけ、逆流性食道炎、腸閉塞など苦しい思いをしましたので、私なりに軽減法を見つけました。 (1)時間をかけてよく噛む(最低20回) (2)食べ始めにトロロ芋、納豆、モロヘイヤ、オクラなど粘りのある物をとる (3)野菜中心の精進料理 (4)1日5〜6回の分食で腹8分目 (5)炭酸水、ビールは飲まない (6)規則正しい食生活 (7)寝る前は食べない (8)枕を高くして寝る (9)食後すぐに車に乗らない (10)生活はのんびりとあせらない、以上、10ヵ条を守りました。最初はアルロイドGを服用していましたが、今は、もしもに備え冷蔵庫の片隅に置いてあります。現在、身長163cm、体重60kg、術前より8kgやせました。しかし、術後2ヵ月で職場復帰をし、元気に働いています。この方法が会員の方の参考になればと思います。

flower2 漢方薬・西洋薬 アドバイス
  術後の胸やけは、胃切除後で胃が残っている場合は、胃酸による胸やけが起こり、胃全摘後で胃がない場合は、アルカリ性腸液による苦い汁の胸やけが起こります。お2人とも胃全摘後の胸やけですが、一般にアルカリ性腸液の方が、食道粘膜を傷つけやすく症状もひどいようです。
  対策として、ひどい胸やけが起こっているときは、胃液あるいは腸液を中和する薬を服用します。
  また、それぞれ体験されたように、休むときは枕や上半身を高くする、食べてすぐ寝ない、ガスの発生を少なくする野菜などをとる、いずれも貴重な工夫です。
  サンメールとアルロイドGは、どちらも同じアルギン酸ナトリウムで、腸管粘膜を保護する薬です。それでも効かないときは、オメプラゾールが適用となります。漢方では半夏瀉心湯、生姜瀉心湯などがよく用いられます。

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