アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 351号(9/'2011)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり つ か え
flower1 歩きながら食べる
埼玉県 Iさん (72歳)
  平成18年4月中旬、胃癌で胃を全摘し、ルーワイ法で再建しました。
  術後、主治医より「食事はゆっくりと時間をかけてよく噛むこと、そして適度な運動をすること」と良きアドバイスを受けました。しかし、自分勝手な判断で食べてしまい、たびたびつかえを体験しました。
  そこで、つかえの解消策として、朝食はウォーキングをしながら食べることを試みました。
  コンビニでおにぎり1個を買い、ひと口を約200m歩きながら食べ終えるようにしました。2kmほど歩いたところで、おにぎり1個をすべて食べ終えることができました。おにぎりを食べながら、約1時間かけて4kmの距離を歩くと、快い汗が出て、そう快な気分になります。
  手術して1ヵ月後には、普通の朝食への抵抗感も薄れ、ほどほどの食事がとれるようになりました。さらに半年後にはおにぎりのお世話にもサヨナラすることができました。
  5年が過ぎ、今は早朝のウォーキングやジョギング、スポーツジムでの軽い筋トレを週5日楽しんでいます。昼食、そしてお酒を飲みながらの夕食もたいへんおいしく、腸もご主人様の努力によく協力してくれているようです。
  皆さまもつかえを打破する方法の一つとして、歩きながら食べることに、恥ずかしいと思わずに挑戦してみてはいかがでしょう。ウォーキングに絶好な季節に明けの空を眺めながら身体の許す限り…。
  なお、ウォーキングのコースにあるコンビニや公園などのトイレの場所を確認しておくと、体調不良時の不安も解消されます。
 
flower2 ドクターから一言
  歩きながら食べるということは、たいへん貴重な経験ですね。歩くことは、精神と肉体の統合運動になります。特に横隔膜の上下の動きで呼吸と消化の運動が調和して、食物がよく通るものと思われます。ただ、万が一の体調の変化など、不測な事態を考え、人通りの全くない道での独り歩きは避けることをお勧めします。  

flower1 ミキサーで流動食にして
東京都 Iさん (60歳)
  平成14年2月、胃を全摘しました。術後、食べることはこんなにもたいへんなことかと知りました。
  ひと口食べるだけでつかえ、息もできなくなるほど苦しくなります。野菜ジュースなどは、少し飲めるのですが、形のあるものはよく噛んでも胸の辺りでつかえてしまい、食べることが苦痛になりました。食べたい一心でいろいろ考え、食べたい物を、野菜や魚、ご飯までもミキサーですりつぶして、流動食状態にして食べました。この方法が良かったのか、少しずつ症状も軽減してきました。今は、形があるものも食べられるようになり、食事も楽しんでいます。

flower2 ドクターから一言
  胃を全摘した直後のつかえは、つなぎ目の浮腫や屈曲などもあり、通路が狭くなって起こるのです。水を始めとする流動食が一番通りやすく、また、最初のひと口目に食べる物の温度も大切です。体験から得られた自分なりの方法で、食事を楽しんでください。

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