アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 354号(12/'11)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 便 秘
flower1 下剤と浣腸を併用
愛知県 Iさん (77歳)
  平成18年4月、胃癌検診で早期癌が見つかり、胃の幽門側を4分の3切除しました。術後は水分も何も通らないために体力も落ち、滲出液などを体外へ出すためにおなかからぶら下げている小さな袋の重さにも耐えられなくなりました。遠慮しながらやっとの思いで、看護婦さんに訴えると「そんなの80gしかないのよ」といわれました。恥ずかしく思うとともに、たった80gの重さにも悲鳴を上げるほどのつらさを、生まれて初めての入院で経験しました。
  術前から便秘がひどかったので、食事に気をつけ、薬も飲んでいましたが、術後も通じがなく、浣腸のお世話になりました。食事が通らず3週間の入院中に体重は10kg減りました。退院のとき、主治医から「便秘だけはしないように、市販の浣腸薬で良いから必ず出すように」といわれました。
  しかし、便秘改善に良いといわれる食事をとるとつかえ、消化の良い食事をとると便秘になります。つかえたときは全部吐き出しましたが、最近は胃の具合で「ここまでかな」とわかるようになり、吐くことはなくなりました。薬は酸化マグネシウムと下剤のプルゼニドを処方してもらっていますが、それでも便が出ないときには、浣腸をします。
  胃癌になって検診が必要と実感し、家族、友人、知人にも声を大にして、胃カメラ検診を勧めています。ある友人は検診を受けましたが、手遅れで亡くなられました。多くの方は、異常なしで喜んでおられます。アルファ・クラブ会報の体験談には励まされ、慰められ、希望をいただきました。心より感謝しています。

flower2 ドクターから一言
  術後は水分も食事も通らないなど、上部消化管のつかえもあったのですね。下剤は人によって合う場合と合わない場合があります。消化の良い食事でも便秘するのは、腸運動が弱いからでしょう。プルゼニドは刺激性の下剤で、Iさんには合っているのでしょう。漢方の潤腸湯(ジュンチョウトウ)も、いろんな生薬が含まれ、体に優しい下剤の一つです。

flower1 運動と乳酸菌飲料で改善
茨城県  Sさん (63歳)
  平成14年3月、胃癌で胃を全摘しました。術後は食事量が減り、水分も十分にとれず、便秘が続きました。5〜6日も出ないとおなかが張り、気持ちが悪くなります。友人からアロエが良いと聞き、アロエの粉を飲み始めましたが、だんだんと飲む量が増え、このまま続けて大丈夫かと心配になりました。主治医に相談すると、食事と運動で腸を刺激するのが良いとのアドバイスを受け、毎日1時間のウォーキングを始め、食事も野菜物を中心に、ヤクルトやヨーグルトなどの乳酸菌をとるように心がけました。おかげで今は、毎日、便が出るようになりました。

flower2 ドクターから一言
  アロエもよく効く下剤の一つですね。便秘は腸運動の低下が大きな原因となります。野菜と乳酸菌が効くのは、あなたの腸がしっかりしている証拠です。運動は便秘にだけではなく、全身の活動力にもプラスするものですから、ぜひ続けてください。

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