アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 355号(1/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり お な ら
flower1 腸閉塞の手術後はにおわない
東京都 Kさん (75歳)
  平成17年、胃癌で胃を全摘しました。術後はつかえ、胸やけ、逆流、腹痛、腹鳴、嗜好の変化に悩まされました。特におならには困りました。おなかにガスがたまり出すと、おなかが張り、苦しくなります。そのうえ、においがとても臭いので、おならが出そうになると周りに気兼ねをしてしまいます。また、1週間くらい、異常と思われるほどおならが連続して出ることがありますが、そのあとには、どういうわけか腸閉塞を起こします。
  平成18年から21年まで、腸閉塞を繰り返し起こしました。あまりにも繰り返すので、主治医から腸閉塞の手術を勧められ、思い切って開腹手術を受けました。手術をしてからは、臭いにおいはなくなりましたが、おならは相変わらず出ます。ただ、以前と違って周囲に気兼ねなく出せるようになったことが、良かったかと思っています。

flower2 ドクターから一言
  術後、腸閉塞を繰り返すのは、腸のどこかに癒着などの通過障害があったものと思われます。おならが臭いのは、消化不良によってたん白質の分解が悪く、インドールやスカトールなどの悪臭の原因になるガスが発生したからでしょう。思い切って腸閉塞の手術をして良かったですね。

flower1 家では気にせず、自然のままに
茨城県 Sさん (60歳)
  平成14年3月、胃癌で胃の幽門側を3分の2と胆のうを切除しました。
  術後の後遺症は、ひと通り経験しました。食べるとすぐに、つかえや吐き気、冷や汗、動悸、腹部膨満感などのダンピング症状に襲われるとともに、腹痛、下痢が始まります。おまけにおならがひっきりなしに出て、においもものすごくきついので困りました。おならが出そうになると慌ててトイレに駆け込むのですが、トイレから出て、数分もしないうちにおなかが張ってくるので頻繁にトイレ通いをしていました。
  術後10年近くたち、後遺症もだんだんと軽くなってきましたが、おならだけは治りません。おならの原因は口から飲み込んだ空気が大半と聞き、食事中、空気を飲み込まないように気をつけました。ゆっくりと時間をかけてよく噛んで食べるのですが、なかなかうまくいきません。
  主治医に相談すると、ビオフェルミンを処方してくれました。それが効いたのでしょうか、少しは軽減してきたようです。
  最近はあまり気にせず、家の中では所構わず放屁していますが、家族からは嫌な顔をされますね。ただし、外出時は回りに迷惑がかかるのでトイレに行って出すようにしています。

flower2 ドクターから一言
  おならの発生は、基本的には腸内での異常発酵によります。食べ物の質と量、そして、腸の消化力、吸収力が関わります。手術の影響も加わり、簡単にコントロールできないこともあります。食品の中でも、豆類、動物性たんぱく質を控え目にして、ゆっくりよく噛んで食べることが第一です。ビオフェルミンや、漢方の啓脾湯(けいひとう)などは消化吸収を整える薬の一つです。

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